星降る夜のリストランテ

La Cena

Ettore Scola / Fanny Ardant,Vittorio Gassman,Giancarlo Giannini,Marie Gillain,Stefania Sandrelli / 1998

★★★★

楽しい

 エットーレ・スコラ監督作品。原題の"La Cena"はディナーの意味。ローマのレストランの一晩を描く。

 カメラはレストランからほとんど出ず、スタッフと客の様子を断片的に紹介していって、いろいろとあるという話。フィルモグラフィーを見ると、エットーレ・スコラは単に輸入公開されていないだけで、1990年代も着実に新作を作っていたようだ。私が最後に見たのは1989年の『BAR(バール)に灯ともる頃』みたいだが、昔の作品と比べると本作はずいぶんと軽いタッチであるように思えたのは気のせいなのか。私の側の感性が変わったのか。

 特に大きなドラマもなく、人と人がテーブルを挟んで会話をするだけの2時間弱をまったく退屈させないというマスターピース。ひとは、映画としての盛り上がりをラストに持ってこないことの賢明さを学ぶべきである(『シン・レッド・ライン』もその点で巧妙だった)。誕生日を迎えたファニー・アルダンの姪のために演奏されるフルートとハープの音楽に沿って、カメラがレストラン内を一周するあのショットは、映画の中盤に置かれているということで一層効果が高くなっている。『バガー・ヴァンスの伝説』のロバート・レッドフォードに、この100分の1ほどの節操と感受性があったなら。いや、たまたま続けて見たというだけなんですが。

 この映画の登場人物たちの中で、ヴィットリオ・ガスマンとジャンカルロ・ジャンニーニが最もセクシーであるというのがやっぱり凄い。マリー・ジランも眼がヤバくて良かったけれども、老人パワーには負けている。しかもこの2人の老人は、『バガー・ヴァンスの伝説』のウィル・スミスのような「すべてを悟ったような笑み」を浮かべることは決してなく、図々しくて生臭い。申し訳ないけれども、ファニー・アルダンとステファニア・サンドレッリを見ていて、やはり歳をとったときに男は得だなと思ったことだった。

2001/12/3

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