ミート・ザ・ペアレンツ

Meet the Parents

Jay Roach / Robert DeNiro,Ben Stiller,Teri Polo / 2000

★★★

そこそこ面白い

 ジェイ・ローチ監督作品(『オースティン・パワーズ・デラックス』『ミステリー、アラスカ』『オースティン・パワーズ』)。この人は『オースティン・パワーズ』がデビュー作であるものの、『ミステリー、アラスカ』で人情ものが好きだということを露呈していた。本作もあれと似た感じの人情で落とすシチュエーション・コメディ。1992年の同タイトルの映画のリメイクのようだ。インディー映画の脚本を買い取ってビッグ・バジェットでリメイクするというスピルバーグの戦略の一環ということか。

 ベン・スティラーがテリー・ポロの実家を訪れて彼女の両親と会うが、父親のロバート・デニーロがやたらに怖かったという話。頭脳先行型でちょっと狙い過ぎ。個々のシチュエーションについて、うむこれはこうやったら面白いだろうと考えて、演出家も役者もそれぞれ努力をしたところ、1本の映画としてできあがったときに全体として「やりすぎ」、「くどすぎ」になったという感じだ。ロバート・デニーロはたいていそうだが、ベン・スティラーの出演作にもそういうタイプのものが多く、『メリーに首ったけ』がうまく行っていたのは、映画の作者が最初からくどいやりすぎの映画になることを承知していて、それを処理する方法に心を砕いていたからだと思われる。

 さらに厄介なのは、ベン・スティラーとテリー・ポロのカップルがそれほど魅力的でないことである。デニーロは除いて、テリー・ポロの側の親族や友人たちは、揃って主人公たちよりも魅力的でなかったか? たとえばテリー・ポロの昔の恋人ケヴィンを演じるオーウェン・ウィルソン(『シャンハイ・ヌーン』に続いて名演)は、世間一般の標準でいえばベン・スティラーよりもはるかに魅力的で、ベン・スティラーはそのことに劣等感を抱き、テリー・ポロは「そんなこと気にする必要はないわ。私はあなたを愛しているの」と言うわけだが、私が女だったら絶対にオーウェン・ウィルソンを選ぶ。別に彼が金持ちだからではない。単に人間としてずっと魅力的に見えるじゃないか。

 このようなことが起こってしまった原因の1つに、テリー・ポロの側の親族や友人たちを、魅力のない人たちとして描かないという配慮があったことは間違いない。彼らを粗雑な人物として描くことで、ベン・スティラーの側のセンシティビティを強調するという戦略はとらないという強い決意があったのだろう。これは『ミステリー、アラスカ』にも共通する特徴で、私は高く評価する。ただ、その結果として主人公カップルが愚か者に見えたとしたら、それは本末転倒というものだ。

2001/12/8

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