僕たちのアナ・バナナ

Keeping the Faith

Edward Norton / Ben Stiller,Edward Norton,Jenna Elfman,Anne Bancroft,Eli Wallach,Ron Rifkin,Milos Forman / 2000

★★★

狙い過ぎか

 エドワード・ノートンの初監督作品。ハードなものを作るかと思いきや、ロマンティック・コメディという変化球を投げてきた。フェミニズムと宗教という2大トピックにおいて超PCなストーリーで、現代的な味つけを適度に混ぜ、自分は「ちょっと頼りなげな脇役」という位置で出演するという、いくらなんでもこれは狙い過ぎという感じの作品だった。この映画をoffensiveに感じるマーケット・セグメントは1つもないだろう。

 しかし、構想は完璧だが、ロマンティック・コメディとしてはあまり出来がよくない。そもそもこの映画のストーリーを要約すると、「マザコンで伝統主義者でレイシストの男が、出来心から異人種の女と付き合い始め、人種の違いという理由でその女を振った。やがて、母親と会衆の許しを得たし、宗教集団の中での地位も確保したので、振った女にもう一度求愛した。最後には、その女が異人種でなくなるということが示唆されてハッピー・エンディング」ということになる。つまり、「あまりに強い愛が宗教や伝統や人種的偏見を克服した」というストーリーにはなっていない。こうせざるをえなかったのは、おそらくユダヤ人コミュニティに対する配慮だろう。

 それはそれでいいのだが、標準的なロマンティック・コメディの文法から逸脱している分だけ、それをカバーする工夫が必要となるはずだ。それがどうもうまく行っていない気がする。特に問題なのは、ラビのベン・スティラーがあまりにも情けない男なので、ジェナ・エルフマンのようないい女がなぜ彼に惚れるのかがよくわからないことだ。いや、惚れる惚れないは人の好みなので仕方がないのだが、二人が深い仲になってから破局が訪れるまで、また破局が訪れてからエンディングを迎えるまでのジェナ・エルフマンの側の心のあり方がほとんど描かれていないせいで、まるでジェナ・エルフマンの心情が不変定数のように扱われているような気になってくる。

2001/12/17

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