クルーシブル

Crusible, The

Nicholas Hytner / Daniel Day-Lewis,Winona Ryder,Paul Scofield,Joan Allen / 1996

★★★

堅実

 ニコラス・ハイトナー(『私の愛情の対象』『センターステージ』)の落ち穂拾い。ジョーン・アレンを見たかったのもある。セイラムの魔女狩りをマッカーシズムと重ね合わせて描いたアーサー・ミラーの戯曲の映画化。

 戯曲の映画化はやはり難しく、舞台であれば映えたかもしれない名演技が、映画の中では単なるもったいぶった演技となりがちだ。本作も、特に主人公のダニエル・デイ=ルイスと裁判官のポール・スコフィールドにその傾向が顕著で、このことはかなり致命的である。画面の組み立ても、上記のニコラス・ハイトナーの後の2本の映画と比べると、演劇の空間を引きずっていて不自由に感じる。

 ただ、本作のウィノナ・ライダーは実に素晴らしい。『17歳のカルテ』のように、単純な心理状態を複雑に表現するという制約を受けず、単純な心理状態をストレートに表現できる場を与えられて大活躍しており、見ていて本当に怖くなってくるぐらいだった。ジョーン・アレンがぱっとしないのは演出の責任。

 話自体はパワフルなのだが、それはアーサー・ミラーの原作に含まれていたパワーである。

2002/1/13

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