ガンシャイ

Gun Shy

Eric Blakeney / Liam Neeson,Oliver Platt,Jose Zuniga,Richard Shiff,Sandra Bullock,Mary McCormack / 2000

★★★★★

理想的なコメディ

 監督のエリック・ブレイクニーはTV出身の人のようだ。サンドラ・ブロック製作の犯罪コメディ。これは彼女の初めてのプロデュース作品で、2作目は『デンジャラス・ビューティー』である。IMDBでは現時点で5.4点というひどい点がついているが、私は非常に楽しんだ。大傑作だと思う。

 DEAの潜入捜査官であるリーアム・ニーソンは、正体がばれた前回の捜査でひどいトラウマを負い、次の捜査に携わりながらも精神科医にかかってグループ・セラピーを受ける。『アナライズ・ミー』に似ている設定だが、あの映画のロバート・デニーロとビリー・クリスタルのくどさが、こちらのリーアム・ニーソンとマイケル・マンテル(という人だと思う。未確認)にはまったくない。これにイタリアン・マフィアと南米マフィアの奇妙な悪者が絡む。

 この映画、脚本の段階では『ジム・キャリーはMr.ダマー』のような映画に思えたかもしれない。主人公の潜入捜査官はストレスのあまり慢性的な下痢に悩まされていて、しょっちゅうトイレに駆け込むわけだし、看護婦演じるサンドラ・ブロックが主人公に浣腸を施す場面が、二人のロマンティックな関係のきっかけとなるのだから。そういう映画への出演を受けたリーアム・ニーソンは偉い。しかも現実に出来上がった作品は、私がいままでに見た中でリーアム・ニーソンが一番インテリジェントに見える映画になっていた。

 本作の脚本は細かいところまでよく練られており、それを最大限に活かす演出と編集が行われていて気を抜けるところがない。何回か行われるグループ・セラピーの場面は絶品で、スティーヴン・セガールが暴力的感情を抑えるためのセッションに参加する『DENGEKI 電撃』と比べるとだんぜん格が違う。冒頭に出てくる、リーアム・ニーソンのトラウマとなった前回の捜査の回想シーンは、よくこんなものを作ったなと感動してしまうぐらいのばかばかしさで、映画の中の回想シーンとしては出色のできだった。

 イタリア系マフィアの娘婿を演じるオリヴァー・プラットをはじめとして、主な脇役が全員素晴らしい。特に、グループ・セラピーに参加しているリチャード・シフ(手を噛む男)がいい。

2002/1/19

 ふと思い立って再見して、やはりこれは大傑作であるという思いを強めた。オリヴァー・プラットの妻の役としてメアリー・マコーマックが出ていることに気づいた。

2002/11/1

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