モンキーボーン

Monkeybone

Henry Selick / Brendan Fraser,Bridget Fonda,Chris Kattan,Whoopi Goldberg,Rose McGowan,John Turturro / 2001

★★★★

奇怪

 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』と『ジャイアント・ピーチ』のヘンリー・セリック監督が、実写とCGIによるアニメーションとマペットを組み合わせて作った奇怪なファンタジー。

 「扱いに困る」というのが配給会社の率直な気持ちだろう。コミック作家のブレンダン・フレーザーが、恋人のブリジッド・フォンダにプロポーズしようとした夜に、交通事故に遭って意識不明になり、死の一歩手前にある昏睡状態の人々が押し込められている"Downunder"(字幕では「ダークタウン」。これは原作の絵本から採られているようだ)の町で、自分が描いたコミックのキャラクター、モンキーボーンと出会う。恋人に自分の気持ちを伝えたい彼は、現世に帰還するためのパスを盗むために、モンキーボーンとともにウーピー・ゴールドバーグ演じる"Death"の住む死の町に潜入する。果たして彼は恋人に自分の気持ちを伝えられるのだろうか? というようなストーリー紹介は実にミスリーディングである。このキャストでファンタジーということから、『ダドリーの大冒険』『グレイスランド』と『レプリコーン/妖精伝説』(見てないが)をブレンドしたようなものを連想したら大間違い。この「モンキーボーン」のキャラクターを紹介する短篇アニメーションが冒頭に流れるのだが、その内容を言葉で説明しようとするだけで気持ち悪くなってくる。

 脚本の詰めに甘い部分があり、特に実世界のブリジッド・フォンダのストーリー上の役割が論理的に突き詰められていないのだが、この映画の主眼はひたすら主人公の意識下世界を筆頭とする奇怪なイメージの描写にある。ティム・バートンの『ビートルジュース』よりも奇怪であり、やりすぎをコントロールしきれていないという印象があるが、これだけ次から次へと奇怪なものを見せられると「参りました」と言うしかなくなった。

 ブレンダン・フレーザーは『悪いことしましョ!』に似た感じの、役者冥利につきる役柄を与えられている。ブリジッド・フォンダはもっと見せ場があってもよかったのだが、十分に美しい。マンガのキャラクターのモンキーボーンの声はジョン・タートゥーロが担当している。見ている間は本人とわからなかった、Downunderの酒場のウェイトレス"Kitty"を演じているのはローズ・マッゴーワンで、今まで見たなかで一番良い。ブレンダン・フレーザーが現世に復帰するときの身体を演じるクリス・カッテンは『サタデー・ナイト・ライブ』の人で、強烈な発想に視覚的な説得力を持たせる名演技。

 現在IMDBで5.0という低い評価になっていることからわかるように、見る者を選ぶ映画である。個人的には、この映画が熱烈に好きな人とはあまり友達にはなりたくない。でも、上記のクリス・カッテンの出演場面や飼犬の悪夢のシーンなど、大笑いできる、インパクトの強い映像がいくつもある、注目に値する映画であることは間違いない。

2002/2/9

 再見して、これは名作であると思った。特に主人公が地上に戻ってきて、パーティーで恋人と再会するシーンは、『天国から来たチャンピオン』の異常にひねくれたバージョンという感じで美しい。あまり広くは勧められないが、熱烈に支持したいと思う。

2002/9/3

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