スターリングラード

Enemy At The Gates

Jean-Jacques Annaud / Joseph Fiennes,Jude Law,Rachel Weisz,Bob Hoskins,Ed Harris,Ron Perlman / 2001

★★

大雑把な大作

 ジャン=ジャック・アノー監督作品。第二次世界大戦時のソ連の伝説的スナイパー、ヴァシリ・ザイツェフを主人公にしてスターリングラード戦を描く戦争映画。私はジャン=ジャック・アノーの大雑把さが嫌いなのだが、本作でそのことを再確認することができた。

 本作の注目すべき特徴は、ロシア人がブリティッシュ・イングリッシュを喋り、ドイツ人がアメリカン・イングリッシュを喋るというところにある。古代ローマの貴族がブリティッシュ・イングリッシュを喋ることはよく知られているが、ロシア人が喋るのを見たのは初めてだと思う。喋るだけでなく、ジョセフ・ファインズはジュード・ロウに口述筆記をやらせるにあたって、丁寧にも英語のスペルを教える(「coalの"l"は2つじゃないぞ。あと、"k"じゃないぞ」)。これは観客に対する挑戦であり、さすがに感動せざるをえなかった。「ロシア語/ドイツ語訛りの英語」よりはずっとマシである(ドイツ人役のニュージャージー出身のエド・ハリスのセリフには、「ヘア・ゲネラール(Herr General)」というドイツ語が混じっていたが)。なお、英語という共通語を喋っているおかげで、ドイツ人スナイパーとロシアの靴磨きの少年がまったく問題なく会話できるという脚本上の利点がある。

 荒んだ感じのレイチェル・ワイズが色っぽい。フルシチョフ役のボブ・ホスキンスは頑張ってはいる。途中であっけなく殺されてしまう私の好きなロン・パールマンは、実はジャン=ジャック・アノーの『人類創世』(1981)がデビュー作。なおロシア人の間でこの人のアメリカン・イングリッシュが目立っていたが、それは戦争が始まる前にドイツ軍の演習に参加していたからだと思われる。ソ連軍の中で不遇をかこっていたのは、訛りがおかしいせいもあったのだろう。

2002/2/21

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