リスキーブライド/狼たちの絆

Best Men

Tamra Davis / Dean Cain,Andy Dick,Sean Patrick Flanery,Mitchell Whitfield,Luke Wilson,Fred Ward,Raymond J. Barry,Drew Barrymore,Brad Dourif / 1997

★★★

狙い過ぎか

 『誘惑の接吻(キス)』のタムラ・デイヴィスの落ち穂拾い。なお、この人はBeastie BoysのMide Dの妻とのこと。

 つくづく邦題に恵まれていない人だ。副題の「狼たちの絆」は、銀行強盗の映画ということで『狼たちの午後』からの連想だと思われる。ただしジョン・ウー監督の『狼たちの絆』(1991)がすでにある。原題の"Best Men"は、刑務所から出て結婚式の教会に直行するルーク・ウィルソンを、4人の友人たちが花婿の付添人(best man)として出迎えるところから来ている。この人々がひょんなことから人質をとって銀行に立てこもり、花嫁のドリュー・バリモアが途中で合流する。これが「リスキー・ブライド」ということなんだろうが、ドリュー・バリモアはこの映画では脇役である。

 シェークスピアの台詞を吐きながら銀行強盗をする「ハムレット」がショーン・パトリック・フラナリー。グリーン・ベレーの兵士を演じるディーン・ケインは、『ファイナル・ウォー』で悪役を演じていた人。B級アクション映画の出演作が多いようだ。妻に虐げられている男はアンディ・ディック。弁護士がミッチェル・ホイットフィールド。ショーン・パトリック・フラナリーの父親の保安官がフレッド・ウォード。FBIの悪い奴がレイモンド・J・バリー。ヘリコプターのパイロット役のブラッド・ドゥーリフは、なんと『カッコーの巣の上で』(1975)がデビュー作だ。

 これはどう好意的に見ても失敗作だろう。全体的なストーリーは粗雑で、ビデオ画質の映像やスローモーション/ストップモーションの挿入が鼻につく、『誘惑の接吻(キス)』からはちょっと想像がつかない幼稚な作りの映画である。ただ、そういう悪い面をとりあえず無視すると、上に名前を挙げた主要な登場人物全員が非常に上手に描かれていることは注目に値する。こういう風にいちいち名前を挙げたくなったこと自体が、映画の中で彼らのキャラクターに存在感があったことを示している。リアリスティックに描かれていたというわけではないが、映画の中で持たされていた役割(かなり人工的だが)をはっきりと理解することができるし、それぞれにちゃんとした見せ場がある。

 『誘惑の接吻(キス)』は60年代を回顧する映画だったが、こちらは(たぶん)現代を舞台にして70年代風の映画を作ろうとしている。

2002/3/7

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