ふたりのロッテ

Charlie & Louise - Das doppelte Lottchen

Joseph Vilsmaier / Floriane Eichhorn,Fritzi Eichhorn,Corinna Harfouch,Heiner Lauterbach / 1993

★★★★

楽しい

 監督のヨーゼフ・フィルスマイアーは、ドイツ映画の『スターリングラード』(1993)の人。監督の他に脚本、製作、撮影を担当している。本作はエーリッヒ・ケストナーの『双児のロッテ』の翻案。この映画メモでは同じ原作を翻案した映画として『ファミリー・ゲーム/双子の天使』『罠にかかったパパとママ』を取り上げている。

 上の2作は一人二役だったが、本作の双子はフィリッツィ・アイヒホーン(シャルロッテ)とフロリアーネ・アイヒホーン(ルイーゼ)の本物の双子が演じている。母親はコリンナ・ハールフォウッホ、父親はハイナー・ラウターバッハ(『カスケーダー』の大佐役)。双子はベルリッツがスコットランドで主催する夏休み英語学習旅行で出会う。

 ドイツ映画らしいゴツゴツした感じがよい映画だった。母親はキャリアウーマン、父親は売れない音楽家なのだが、どちらの生活もかなり荒んでおり、両者が成功を収めていてケチのつけようがない家庭を築いていた『ファミリー・ゲーム/双子の天使』とは大違いである。母親は「怖いおばさん」で父親は「飲んだくれ」。こりゃ別れたのは仕方がないな、あるいは離婚は両者に本当のダメージを与えたんだなと思わせる。その中で、クリスティ・スワンソンを垂れ目にしたような、公開時12歳のアイヒホーン姉妹があどけない笑顔を見せる。

 音楽の付け方は70年代のアメリカ映画のように古臭い。撮影は非常にしっかりしており、カメラの移動が端正で、よく考えられており、久しぶりに感動した。色調は50年代イギリス映画のように美しい。IMDBでは4.9という非常に低い点がついているが、これは投票したのがほとんどドイツ人で、アイヒホーン姉妹の台詞回しがかなり大根であるせいなのかもしれない。私はといえば、走り寄る姿のスローモーションを何度も切り返すという、ちょっとこれは勘弁してほしいと思うような手法のエンディングで素直に感動した。そこまでの積み重ねがちゃんと効いているように思う。子供向け映画だということを考慮に入れなくても、非常によくできている映画だった。

 なお、ビデオの日本語字幕がどうも変で、ルイーゼを「ルイーズ」、ヴォルフを「ウォルフ」、ザビーネを「サビーネ」などとしていた。スクリプトの英語訳からの重訳をしたのかもしれない。英語読みにするのならば、「シャルロッテ」は「シャーロット」とするべきだろう。一方、原題にあるCharlieは、シャルロッテの愛称で、映画の中では英語読みをして「チャーリー」と発音していた。

2002/3/12

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