点子ちゃんとアントン

Punktchen und Anton

Caroline Link / Elea Geissler,Max Felder,Juliane Kohler,August Zirner,Meret Becker,Sylvie Testud / 1999

★★★★

見事

 『ビヨンド・サイレンス』のカロリーネ・リンク監督作品。ケストナーの童話の翻案である。原題の"Punktchen"のuにはウムラウトが入る。なお、"Punkt"は英語の"point"に相当し、"-chen"は小さいものを表す接尾語なので、これを「点子ちゃん」としたのは秀逸なのだが、映画の字幕で他人が彼女を「点子ちゃん」と呼ぶと相当な違和感がある。

 非常にうまく作られているいい映画なのだが、『ビヨンド・サイレンス』と比べると少し落ちるという感じがする。原作の制約が強すぎるからなのではないかと思ったのだがどうだろうか。特に後半に入って、エピソードが多すぎて、点子ちゃんの親子関係がぼやけている。

 ミュージカル的なシーンを積極的に取り入れているが、『ビヨンド・サイレンス』の魔術的ともいえるいくつかの瞬間と比べると、やはり不満を感じる。

 点子ちゃんを演じるエレア・ガイスラーは素晴らしいが、『ビヨンド・サイレンス』のタチアナ・トゥリープと同じ路線であるだけに、かえって後者の凄さを強く意識させられる。アントンを演じるマックス・フェルダーは良い。点子ちゃんの母親を演じるユリアーネ・ケーラーと父親を演じるアウグスト・ツィルナーは一番弱い輪といえよう。アントンの母親を演じるメーレト・ベッカーは素晴らしい。そして『ビヨンド・サイレンス』で成長した主人公を演じていたシルヴィー・テステューがフランス人の子守りを演じている。フィルモグラフィーを見ると多数の映画に出演しているようだが、日本で見られるのはドイツ映画の2本だけというのは哀しい。

2002/3/17

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