テルミン

Theremin: An Electronic Odyssey

Steven M. Martin / Leon Theremin,Clara Rockmore / 1993

★★★★

いい話

 製作・監督のスティーヴン・M・マーティンは双子役者の片割れで、『アダムズ・ファミリー』(1991)などの出演作がある人らしい。

 世界初の電子楽器「テルミン」の開発者レフ・セルゲイヴィッチ・テルミンの人生を描くドキュメンタリー映画。しっかりと作られている高いクオリティーのドキュメンタリーである。テルミンが使われたハリウッド映画のクリップ、音楽関係者へのインタビュー(ブライアン・ウィルソン、トッド・ラングレン、ロバート・モーグ、ニコラス・スロニムスキーなど)、テルミン本人の演奏を撮った古いフィルムなどが入っていて面白い。テルミンが数十年ぶりにニューヨークを訪れ、親しかったクララ・ロックモアと再会する場面で終わる。

 1993年に公開された映画で、レフ・テルミンは1993年に97歳で死去、クララ・ロックモアは1998年に87歳で死去、ニコラス・スロニムスキーは1995年に101歳で死去している。

 テルミンの波瀾万丈の人生の、波瀾万丈の部分に関する言及が慎重に避けられているのがかえって興味深い。本人の口からは、アメリカで行った(とされる)スパイ活動、1938年にニューヨークの自宅から拉致されたときの経緯、またその後のソ連での生活について語られることは一切ない。高齢と長いソ連での生活のせいで聞き取りづらいけれども、英語でしっかりした内容を喋っているので、ボケていたわけではないだろう。

2002/3/29

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ