イギリスから来た男

Limey,The

Steven Soderbergh / Terence Stamp,Lesley Ann Warren,Luis Guzman,Barry Newman,Peter Fonda,Amelia Heinle / 1999

★★★

スタイリッシュを狙いすぎ

 スティーヴン・ソダーバーグ監督作品。公開年度からは、『アウト・オブ・サイト』の後、『エリン・ブロコビッチ』の前ということになる。原題の"The Limey"は「英国人」の意。

 英国の刑務所を出たばかりのテレンス・スタンプが、娘の死の謎を解くためにアメリカにやってくる。ヨーロッパ映画コンプレックスが丸出しの、頻繁なカットバックや人工的な編集が鬱陶しいが、その範囲内で面白くよくできている映画だった。でも、もうちょっと普通に編集してくれないものかね。テレンス・スタンプのかっこいい表情も、こう頻繁に断片的に見せられると、だんだんと嘘くさく見えてくる。同じことがルイス・ガスマンやバリー・ニューマンなどの絶妙な脇役たちについても言える。

 ピーター・フォンダが60年代の遺産で食っている詐欺師という皮肉な役を演じているのが何ともおかしい。ヒロインのレスリー・アン・ウォーレン(『インディアナポリスの夏/青春の傷痕』)が1946年生まれの53歳というのは異常だ。ちなみにテレンス・スタンプとピーター・フォンダはともに1939年生まれ。死んだ娘を演じているメリッサ・ジョージは1976年生まれ、ピーター・フォンダの愛人を演じるアメリア・ハインルは1973年生まれ。

 そう考えると、本作は「渋い大人の映画」であるわりには、主要登場人物たちが若すぎるのかもしれない。主役とその仇役がともに60歳である映画は「老人映画」になっていてもおかしくはない。ところがピーター・フォンダは若々しい中年男性に見えるし、テレンス・スタンプは渋さは強調されているものの、彼がレスリー・アン・ウォーレンとルイス・ガスマンとともに敵を追う場面は中年男女のドライブにしか見えないし、敵と戦うところは「悪知恵の働く老人」というよりは「刑務所で鍛えていたおじさん」という感じだ。ジャン=ポール・ベルモンドやアラン・ドロンは、40代後半でもこれよりも老けていた気がする。

2002/4/21

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