URAMI〜怨み〜

Bruiser

George A. Romero / Jason Flemyng,Peter Stormare,Leslie Hope,Nina Garbiras / 2000

★★★

なんか落ち着きのあるホラー

 ジョージ・A・ロメロの、『ダーク・ハーフ』(1993)以来の久しぶりの監督作品。『TATARI タタリ』『TABOO タブー』級のバカ邦題だが、原題の"Bruiser"は「乱暴者」の意味。

 日頃さんざんバカにされている情けない男が、急に白いデスマスクを付けた「顔のない男」になって周囲の人々に対して復讐するという、7年ぶりの作品にしてはなんともベタな映画。前半部は普通の文芸映画のような落ち着きを備えており、ジョージ・A・ロメロの映画を見てこんな感想を抱くことがあろうとは思ってもみなかったことだけれども、「いやぁ、巨匠だなあ」と感じた。もはやこの人は、殺人シーンを残虐に描くことには何の興味も持っていない、スプラッター/スラッシャー映画の卒業生である。単に特撮にかける予算がなかっただけなのかもしれないのだが……。

 残念なことに、途中から映画は迷走し、クライマックスにかけては非常につまらない話になっていく。もともと私はロメロのファンではなかったが(『ゾンビ』は大傑作だと思うが)、こういう失墜のしかたを見るのはつらいものだ。

 ジェイソン・フレミングが顔のなくなる主人公。多くの時間、表情での演技を封じられて可哀相ではあるけれども、もともとそれがコンセプトだったのだから仕方がない。この制約を逆手にとる、みたいな観念は、ロメロさんは最初から持ち合わせていなかったようだ。うるさい男にピーター・ストーメア、ヒロインにレスリー・ホープ、主人公の妻にニーナ・ガービラス(要注目)。

2002/5/21

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