パーフェクト・カップル

Primary Colors

Mike Nichols / John Travolta,Emma Thompson,Billy Bob Thornton,Adrian Lester,Maura Tierney,Kathy Bates / 1998

★★★★

単なる政治映画として見ると、非常に良いと思う

 マイク・ニコルズ監督による小説"Primary Colors"の映画化。主演のジョン・トラヴォルタとエマ・トンプソンがクリントン大統領夫妻によく似ていることで話題を呼んだ。この2人に限らず、あらゆる登場人物が非常に丁寧に描かれている緊迫感のある映画だった。

 題材となっているのが(1999年現在の)現職の大統領であるだけに、冷静な評価が難しい映画だとはいえる。物語の語り手であるエイドリアン・レスター(素晴らしい!)を始めとするポリティカル・アドバイザーたちが大統領の2期目には確実に解雇されているであろうこと、クリントン大統領のその後の起こした事件を考えると、この映画(そして小説)に出てくる事件などはスケールの小さい話に見えてしまうこと、など。クリントン大統領との関連をすべて消去して、普通の政治映画として作っていれば、非常に良くできた政治映画として記憶されていたと思う。しかしそうすると、ジョン・トラヴォルタとエマ・トンプソンのこの映画でのあり方(どちらも素晴らしい!)も変わってしまうことになるわけで、どう考えてみてもこれは勝ち目のない企画だったとしかいえない。

 唯一、この映画を復権させる方法は、脚本のエレーン・メイ(素晴らしい!!)を再起用して続篇を作るというものだ。とうぜんホワイトハウス内でのインターンとの絡みを入れ、大統領とホワイトハウスのスタッフの間での乖離を描く。マイク・ニコルズなら上品な映画に仕上げてくれるかもしれない。しかし、クリントンのホワイトハウス入りから2期目の終了までを描く映画で、このような民主党的な楽観主義を貫けるかどうかと考えると非常に難しそうだ。マイク・ニコルズよりもロバート・アルトマンに適した話になってしまうだろう。などといろいろと考えました。

 キャシー・ベイツが素晴らしい。

1999/11/10

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