キューティ・ブロンド

Legally Blonde

Robert Luketic / Reese Witherspoon,Luke Wilson,Selma Blair / 2001

★★★

もっとよくなったはずだが

 監督のロバート・ルケティックはこれが2作目のようだ。

 リース・ウィザースプーン演じるLAのブロンド大学生が、ボーイフレンドに捨てられて一念発起してハーヴァード・ロー・スクールに入学して活躍するというコメディ。ブロンドはバカであるというステレオタイプを逆転させることを目的としている。

 映画そのものは、良くできているコメディで、ところどころ引っかかるところはあるにせよ、最後までうまく進んでいく。ただ、このアイデアが面白く、なおかつリース・ウィザースプーンが「バカに見えて実はバカでないブロンド」という人物像をうまく演じているだけに、ポテンシャルが活かせていないように感じてしまう。これはもっともっと面白い映画になったはずだ、という気がするのである。

 そもそもリース・ウィザースプーンがどのようにバカで、ハーヴァードの他の学生たちがどのようにバカでないのか、ということの設定に一貫性がないため、それをひっくり返すというモチーフがあまりうまく機能していないように思う。他の学生たちが最初からコミカルに描かれるため(自己紹介の場面など)、リース・ウィザースプーンは最初からハーヴァードの周囲の学生たちよりも頭がいいようにしか見え、「普通はガリ勉でないと入れない学校に、LSATの直前の詰め込みで入れてしまったIQの高い女」になってしまう。ライバルとなるセルマ・ブレアから見れば、リース・ウィザースプーンは自分よりもIQが高く、ロー・スクールでの成績が良く、ルックスも良いわけで、最後の演説で「ハート」についてまでとやかく言われたら立つ瀬がない。ちなみに、彼女はリース・ウィザースプーンと共演した『クルーエル・インテンションズ』でも、似たような負け犬の役をやっている。

 率直に言って、「ブロンドは頭が悪い」というステレオタイプは、すでにハリウッド映画のレベルでも古くなっているんではないかと思う。事態はすでに『ロミーとミッシェルの場合』みたいな映画が作られるところまで来ているのだから。

 リース・ウィザースプーンは、微妙な人物像を見事に演じている。アゴの尖り方が、このところ個人的に興味が再燃しているアン=・マーグレット(ファン・サイトを作ろうかとすら思っている)に似ていて、本作での化粧や表情の作り方は彼女を意識しているんではないかと思った。この人の存在感のせいで、他の役者は全滅状態。いちおう2番目にクレジットされているルーク・ウィルソンの意味のなさは凄まじい。殺人容疑を着せられる、やはりブロンドのアリ・ラーターは、『ファイナル・デスティネーション』『TATARI タタリ』のヒロイン。

2002/5/23

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