ラスト・チャンスをあなたに

Just the Ticket

Richard Wenk / Andy Garcia,Andie MacDowell,Richard Bradford,Laura Harris / 1999

★★★

少々無理がある

 監督のリチャード・ウェンクは、本格的な劇場用映画がこれが初めてのようだ。本国では公開に手間取ったようで、それも仕方がないちょっと無理のあるロマンティック・コメディだった。

 そもそも、いまさらアンディ・ガルシア(1956年生まれ)とアンディ・マクダウエル(1958年生まれ)が主演するロマンティック・コメディなのである。何かよっぽどの捻りがないと、そんなもの見ていられないだろうと思ったけれども、実のところ本当に捻りがない、この2人の行き違いをコミカルに可愛く描こうする映画なのだった。自ら製作に関わっているアンディ・ガルシアは、いつまでもダフ屋をしていて、社会保障番号も持っていない無責任だがチャーミングな中年男を演じている、積もりになっている。アル・パチーノの『カリートの道』を意識したらしき要素があり、ロマンティック・コメディの部分とうまく整合していない。

 しかし、そういう根本的な勘違いを除くと、そんなには悪くない映画なのだった。撮影、照明、編集、(主役2人以外の)演技のすべての点で、かなり安定して話は進んでいく。主演に10歳若い男優と女優が割り当てられていて、その男優が製作に関わっていなければ、結構いい線行っていたかもしれない。もちろん、10歳若ければ、「いつまでのダフ屋をやっている」ことの危機感が生まれないという問題はある。ゲイリー・シニーズの『クローン』と同様に、俳優が製作に絡んで、自己イメージの勘違いを押しつけてしまったという失敗例だ。

 なお、『パラサイト』で大注目したローラ・ハリス(ブロンドの転校生)が、本作ではメガネを掛けた、陰気な、妊娠して腹の膨らんだ、ヤク中の女を演じている。この深刻さが映画全体の調子とぜんぜん合っていないところが問題の1つなのだが、まあとにかく出演している、と。

2002/6/2

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