オクトパス

Octopus

John Eyres / Jay Harrington,Ravil Issyanov,David Beecroft,Carolyn Lowery / 2000

★★★

陽性B級巨大生物パニック

 監督のジョン・エアーズはB級映画ばかり作っている人のようだ。

 巨大なタコが、まず原子力潜水艦を、次に豪華客船を襲う。これにテロリストとそれを護送する気弱なCIAのアナリスト、豪華客船上で待ち受けるテロリストの仲間たち、潜水艦のタフな艦長と副長と混乱する乗員たち、同乗していた女性海洋生物学者などが絡む野心的なストーリーなのだが、どれもが中途半端になった。特に、前半でかっこよく紹介されるテロリストたちがほとんど見せ場もなく終わってしまうのがもったいない。彼らの活躍と死を描くんであれば、あと30分ぐらいは喜んで見ただろうと思う。しかし残念ながら、2時間超の巨大タコの映画が作られることはきわめて考えにくい。

 本作は率直に言ってダメなB級映画なのだが、根本的に陽気なので楽しめる。同じダメなら、登場人物たちがずっと暗い顔をしつづけている映画よりも、少々無理でも楽しい方がいいということがよくわかった。爆弾があと3分ちょっとで爆発するというのに、船倉で男同士の熱い別れの挨拶をしていて、そこに女が「何やってるのさ! そんなにじめじめしてるんじゃないわよ」というようなツッコミを入れるシーンが1分ほど続いたりする。まあその次の次のシーンでは、すでに主人公は潜水艇に乗ってタコに接近しているので問題はない。その他、原子力潜水艦のエンジンが異常を来していて、それを見た艦長が「あと25分で爆発する」と診断すると、潜水艦は時限装置がついていたかのように正確に25分後に爆発するなど、普通であれば嫌になっちゃうような脚本が、なぜか許せてしまうのである。これがなぜ大丈夫なのか、研究の対象とするべきだと思った。

 女性科学者を演じるキャロリン・ロウリーが掘り出し物。最初に登場するストリップ・ポーカーのシーンには、これほどまでひどい「軍隊内の風紀の乱れ」を見たことはないと思ったぐらい迫力があった。その他の主役も脇役も、このレベルの映画にしては標準以上で、役者の質にかんしては細かいところまで目が行き届いているという印象がある。不思議な映画だ。

2002/6/9

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