ウーマン・オン・トップ

Woman On Top

Fina Torres / Penelope Cruz,Murilo Benicio,Harold Perrineau Jr,Mark Feuerstein / 2000

★★

焦点がぼやけている

 監督のフィナ・トレスはベネズエラ出身。フランス資本の『恋の力学』(1995)、フランス=ベネズエラ資本の『追想のオリアナ』(1984)の監督作品がある。原題は「女性上位」。

 スペイン人のペネロペ・クルスをブラジル人にして、本国では人気タレントらしいムリロ・ベニチオをその夫として設定し、ブルックリン生まれのハロルド・ペリノーを同郷のブラジル人のドラッグ・クイーンにして、主にサンフランシスコを舞台にした映画をベネズエラ人が撮ったという流れ。ブラジル人同士がブラジル国内でもブラジル訛りの英語を喋る。そんな状態で「彼女はブラジルなのよ。ブラジルは彼女なのよ」とか、「タバスコはブラジルでは使わない」とか言われてもねえ。白人としてはマーク・フォイヤースタインがコミック・リリーフとして配置されているが、私はこの人とポール・ライザー(『ジュエルに気をつけろ!』など)を区別する自信がない。

 まあ、よくわからない映画です。料理のマジックが男を魅了するという『バニラ・フォグ』のような話なのかと思ったら、実はそうではなく、女にも、またTVの画面を通じてもそのマジックは通用する。ということは要するに、単に本人の「色気」なのである。でも、TVプロデューサーはペネロペ・クルスの色気に参ったのかと思ったら、視聴率のことを気にして夫を出演させろと言う。友人のドラッグ・クイーンは、ペネロペ・クルスの夫への想いを断ち切るのに協力したと思ったら、いざその夫がサンフランシスコまでやってくると、そちらも煽る。

 本作の唯一の収穫は、ムリロ・ベニチオの安定感か。脚本読んだ段階でワケのわからない映画だと思っただろうけれども、その範囲内で精一杯やっている。その他は、南米人による、南米異国趣味の濫用だ。

2002/6/13

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