オクトパスIN N.Y.

Octopus II

Yossi Wein / Michael Reilly Burke,Meredith Morton / 2001

★★★

予想を裏切るずいぶんしっかりした映画

 本作は、原題が"Octopus II"であることからわかるように、Nu Imageによる『オクトパス』の本物の続編である。日本のビデオ配給会社は、続編でない映画には続編のフリをさせ、正真正銘の続編にはそうでないフリをさせるのが好きなようだ。監督のヨッシー・ウェインは撮影畑の人で、監督作品もすでにいくつかある。

 続編とはいっても、『スパイダーズ』『スパイダーズ2』の関係と同じく、大きなタコが出てくるという点以外にはほとんど共通点がない。また、「2」になると、タコ(クモ)が生身の人間が戦えるほどの大きさに縮小され、前作にあったコミカルなタッチがなくなるという傾向も同じ。

 本作では、邦題が誤解の余地なく示しているように、巨大なタコがニューヨークを襲う。ニューヨークの港湾警察の刑事が、担当区域で起こった異常な事件を追跡するという標準的なクリーチャー映画である。前作のバカバカしさを考えると驚くほど普通のシリアスな展開で、しかも嬉しいことにそこそこ良くできており、最初のうちはクリーチャーものとしても刑事ものとしても、A級映画(の安っぽいやつ)と見分けがつかないような映像が続く。そうとう無理なストーリー展開の後に描かれるクライマックスの『デイライト』(1996)のパクリもかなり良い。結論として、これは嬉しい掘り出し物だった。

 主人公を演じるTV役者のマイケル・ライリー・バーク、ヒロインのメレディス・モートンの双方に華がないところがリアリティを与えている。なんといっても、市長のアシスタントのメレディス・モートンは、独立記念日にニューヨークが巨大タコに襲われるかもしれないという大変なときに、世界各国から集まってきた子供たちを世話するバス添乗員の仕事をさせられるのだ。

 なお、クレジット画面は"ov"とか"ova"で終わる名前が延々と並んで壮観である。前述の「世界各国から集まってきた子供たち」も、日本とかアフリカ諸国とかの旗を振ってるのに全員が白人で、案の定その全員が"ov"と"ova"で終わる名前の持ち主だった。ロシア映画人はアメリカ映画に進出しつつある。ナチス政権下のユダヤ人のように、ハリウッド映画に大きなインパクトを与えることになるだろうか?

2002/6/16

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