ツバル

Tuvalu

Veit Helmer / Denis Lavant,Chulpan Khamatova,Philippe Clay,Terrence Gillespie / 1999

★★★★

ちょっと後ろ向きか

 監督のファイト・ヘルマーは短編映画作家で、本作が長編第1作。モノクロ(彩色あり)の映像、極端に抑えられたセリフ、オーバーな演技で、サイレント時代の「古い映画」の真似をしている。

 時代と地域のさだかでない場所に建っている室内プール場を舞台に、管理人の仕事をしている男(ドニ・ラヴァン)と若い娘(チュルパン・ハマートヴァ)のロマンスをコミカルに描く。国籍のさまざまなキャストを配し、ブルガリアで撮影をして、「東欧映画」と「サイレント映画」を混ぜたようなノスタルジアを醸成するというこのプロジェクトは、たぶん非常に難しいものだったのだろうと思う。その結果としてできあがった映画もかなり上質なもの。

 しかし個人的には、あまりにも後ろ向きな態度に感じられた。これだったら古い映画や東欧映画を見ていればいいじゃないかと、いろいろなシーンで思ったのである。そういう映画にない唯一の要素が、主演のチュルパン・ハマートヴァの可愛らしさと全体的なトーンに合っていない性的ニュアンスで、超コケティッシュな類型的演技を楽しむことができる。

 それで喜んでいていいのか、という問題は残る。

2002/6/23

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