キャッツ&ドッグス

Cats & Dogs

Lawrence Guterman / Jeff Goldblum,Elizabeth Perkins,Alexander Pollock / 2001

★★★★

果敢なる挑戦

 監督のローレンス・グターマンは新人のようだ。犬と猫が水面下で世界の掌握をかけて戦っているという設定での、スパイ映画のパロディ。

 動物の実写映像をベースに、顔の部分をCGで処理して、言葉を喋っているように見せかけるというテクニックをもう一歩進めて、動物の顔の表情をかなりいじり、従来のアニメーション映画のようなデフォルメを施している。『ファイナル・ファンタジー』『スチュアート・リトル』と同じく、テクノロジーの面では先進的だが、映画としては失敗しているというタイプの作品である。

 本作の失敗は、動物のCGIとアニマトロニクスでの処理のトータルなコーディネーションの欠如から来ている部分がある。映画を作り始める前に、個々の場面で動物にどのような表情を持たせ、どのような動きをさせるかという点での、関係者間での意思統一が行われなかったという印象がある。そのゴツゴツとした感じが、かえって興味深かったと言えなくもない。

 『102』の項で書いたことだが、本物の成長した犬や猫は、ディズニーの動物アニメーション映画に出てくるような可愛らしさを持たない。アニメーションの動物の可愛らしさは、動物の幼体の可愛らしさの誇張であり、実際の成犬や成猫はそのような性質を失っているからである。本作は、この制約を回避するために、実物の動物をアニメーションの側に近づけるという倒錯的なアイデアを使っている。これは非常にイノベーティブな発想であり、テクノロジーがまだ新しいということと、たぶん他の本格的なSFX映画と比べれば予算が少なかったせいで、完璧な形にはなっていないけれども、高く評価するべきだと思う。

 ジェフ・ゴールドブラムやエリザベス・パーキンズなどの人間の役者はほとんど意味を持たず、声優のほうがずっと存在感がある。特に雌犬を演じるスーザン・サランドンが、『ドクター・ドリトル2』のリサ・クドローに匹敵するぐらいよい。

2002/6/23

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ