Larry Sanders Show,The

Larry Sanders Show,The

Various / Garry Shandling,Rip Torn,Jeffrey Tambor / 1992

★★★★★

やはり傑作

 HBOのTVシリーズ。『The Sex and the City』のついでに、こちらについても書いておく。1992年から1998年にかけて放映された本シリーズのシーズン1のDVDがようやく発売された。詳しくはamazon.comのThe Larry Sanders Show - The Entire First Seasonの項を参照されたい。なお、リリースは10月となっているが、実際にはかなり前に発売が開始されている。DVDはRegion 1 encodingなのでご注意を。

 ギャリー・シャンドリング(『2999年異性への旅』)の製作・主演によるシチュエーション・コメディである。私はこのシリーズのシーズン1と2あたりをリアルタイムでぱらぱらと見て深く感動したのだが、その後見る機会がなくて哀しく思っていた。amazon.comのレビューアーたちの多くが、本作を90年代最高のコメディTVシリーズであると述べていることからわかるように、非常に面白いシリーズなのだ。

 今回、シーズン1を初めて通して見たわけだが、さすがに10年経つといくぶん古さが感じられる。演出の面でも「コメディ」の部分でもアメリカのTV番組がここ10年で大きく変わったということを実感した。それでもシチュエーション・コメディとしての枠組みはしっかりしているので、いまでも十分に楽しむことができるだろう。

 ギャリー・シャンドリング本人が演じるLarry Sandersという名のトークショウのホストを主人公とした業界内幕もの。有名人たちが本人の役でトークショウにゲストとして出演するというお遊びや、David LettermanやJay Lenoなどの実在のトークショウ・ホストたちをライバルとして意識しているという設定などを通して、リアリティとフィクションの境界を曖昧にするという手法が使われている。本作の素晴らしいところは、この架空の"The Larry Sanders Show"という番組が本当に面白そうに見えること(いや実際にDavid LettermanやJay LenoやConan O'Brienなんかよりも「はるかに」面白そうだ)。この基盤があって初めて、その背後でのさまざまな苦労話が活きてくる。

 「リアリティとフィクションの混在」という一点に頼ってそれでよしとする、日本のテレビ番組によく見られる安易な態度を取らず、本筋のコメディの部分はしっかりとしたシチュエーション・コメディとして成立させている。寸止めの演出が気持ちよく、ギャリー・シャンドリングを初めとするキャストも全員見事である。ジャニーン・ガロファロー(『ミステリー・メン』など)とジェレミー・ピヴェン(『天使のくれた時間』など)のキャリア初期の出演作ということになる。

2002/8/23

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