CLUBファンダンゴ

Fandango

Matthias Glasner / Nicolette Krebitz,Moritz Bleibtreu,Richy Muller,Corinna Harfouch / 2000

★★

うっとうしい

 監督・脚本のマティアス・グラスナーは、日本に紹介されるのはこれが初めて。ビデオ化の際に『略奪者』と改題された。

 「新感覚」の「スタイリッシュ」な若者犯罪映画。主人公の女性が、雨が降ってきたのを見て、車を停めて路上で踊り出す、というようなシーンがある映画である。つらいとしか言いようがない。

 その主人公を演じるニコレッテ・クレビッツは『バンディッツ』でベーシストを演じていた人。その相手となるモーリッツ・ブライプトロイは、『ラン・ローラ・ラン』の情けない男。この2人がなんといいますか、貧相な人間を演じようとしていて、それがぴったりとはまっているだけに、見ていてやりきれなくなってくる。主人公格の役者に華がないのはやはり致命的である。

 ただし、いくつか見所はある。ニコレッテ・クレビッツが最初に付き合っているギャングを演じるリッヒー・ミュラーは、かなり長いキャリアを持つ人で、フィルモグラフィーを見ると1982年のヴォルフ・グレム監督、ファスビンダー主演の『Kamikaze 1989』なんかにも出ている。この人の存在感はいくつかのシーンを支えている。また、Akiraという役名で登場するIll-Young Kimというアジア系の男優が、1970年代の日本の青春映画のはちゃめちゃな主人公のような熱演。

 しかし何と言っても凄いのは、スキンヘッドになって、レズビアンのギャングの親玉を演じているコリンナ・ハーフォーフ(『ディアボリーク 悪魔の刻印』)だ。これにはちょっと驚いてしまった。仮にも、演技派で通っている46歳の名女優が、頭を剃ってあれはないだろう。

 そういうわけで、コンセプトの時点から間違っている映画なのだが、脇役の奮闘ぶりにいくつか見所がある作品だとはいえる。メインのストーリーと撮影・編集全般は学生映画レベル。

2002/9/16

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