バニラ・スカイ

Vanilla Sky

Cameron Crowe / Tom Cruise,Penelope Cruz,Cameron Diaz,Kurt Russell,Jason Lee,Noah Taylor / 2001

★★

オリジナルよりも悪い

 キャメロン・クロウ監督作品。アレハンドロ・アメナバールの『オープン・ユア・アイズ』のリメイク。ペネロペ・クルスは両方に出演している。

 『オープン・ユア・アイズ』はつまらない映画だと思ったのだが、あれよりも悪くなりうるとは、という驚きがあった。その後、『アザーズ』を見て感動したことが、遡及的に前作の印象を変えているのかもしれないが、それにしても本作に比べれば『オープン・ユア・アイズ』は高級な映画である。

 音楽の使い方が下手なせいで、映画全体が安っぽくなっている。もともとキャメロン・クロウは映画の中でポップ/ロックを流すのが好きで、それなりに効果を挙げる人だったのだが、本作では(『あの頃ペニー・レインと』もそうだったが)音楽の使い方が甘いように感じる。それは選曲も、映画の場面の中での使い方も含めてのことだ。何でも好きなように使える立場になってしまったせいで、歯止めが効かなくなったということなのだろうか。

 本作の収穫はキャメロン・ディアス。この人が良すぎるせいで、映画のバランスが崩れているだけでなく、オリジナルの作品のニュアンスを変更したエンディングが奇妙なことになっている。ナイーヴと呼んでくれてかまわないが、私は最後のところでペネロペ・クルスではなくキャメロン・ディアスが出てきて、トム・クローズが彼女に対して許しを乞うのが(ハリウッド的な)ハッピー・エンディングになるんじゃないかと思ってしまった。そういう映画にしないんだったら、キャメロン・ディアスの描き方をもうちょっとダウングレードするべきだったろう。そうでないと、「男は、尽くす女には冷たく、その本性は眠っている間に悪夢で罰せられても変わらない」という教訓の映画になってしまう。

2002/9/21

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