CALLE(カジェ) 54

Calle 54

Fernando Trueba / Documentary / 2000

★★★★★

超大傑作

 監督のフェルナンド・トルエバは『ベーゼ/崩壊の美学』(1989)などの人。ラテン・ジャズのミュージシャンたちの演奏場面を撮ったドキュメンタリー・フィルムである。

 私はヴィム・ヴェンダースの『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』には怒りを感じたのだが、本作を見て、世の中には道理を分かっている人がいるんだなと安心した。ミュージシャンの人となりを1、2分ほどで紹介して、すぐにきちんとライティングとカメラ設定がなされたスタジオでの演奏場面に入り、1曲まるごと演奏を終えた演奏家のニカッと笑う表情を捉えたのちに(笑わない人もいる)、すぐに次のミュージシャンの紹介に進む。ハイブラウで高品質なミュージック・ビデオとも言えるが、音楽のドキュメンタリーとは、人が音楽を演奏している場面をしっかりと写すことであるという根本原理をちゃんと理解している映画作家による作品である。あまりの美しさに涙が出た。

 以下、曲目とミュージシャン

  1. Panamericana - Paquito D'Rivera /サックス、クラリネット
  2. Samba Triste - Eliane Elias /ピアノ
  3. Oye Come Viene - Chano Dominiguez /ピアノ
  4. Earth Dance - Jerry Gonzalez /フリューゲル・ホーン、コンガ
  5. From Within - Michel Camilo /ピアノ
  6. Bolivia - Gato Barbieri /テナーサックス
  7. New Arrival - Tito Puente /ティンバレス、ビブラフォン
  8. Caridad Amaro - Chucho Valdes /ピアノ
  9. Afro-Cuban Jazz Suite - Chico O'Farrill /ビッグバンド
  10. Lagrimas Negras - Bebo Valdes Cachao / ピアノとダブル・ベース
  11. Compa Gayetano - Orlando 'Puntilla' Rios Carlos 'Paato' Valdes / ヴォーカル、コンガ
  12. La Comparsa - Bebo Valdes Chucho Valdes / ピアノ

 ちなみにミシェル・カミロはたまたまいま来日していて、私はブルーノート東京でのライブに2回行った(初日と2日目。どちらも1stステージ)。座った場所のせいかもしれないが、ベースのアンソニー・ジャクソンとドラムスのオラシオ・"エル・ネグロ"・エルナンデスが見応えありすぎて、ピアノ主体のユニットのように思えなかった。3人とも、演奏テクニックはもちろんだが表情が素晴らしい。本作に収録されている"From Within"は、どちらの回でもオープニングの曲として使われていた。

2002/10/5

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