生存者

Sole Survivor

Mikael Salomon / Billy Zane,John C.McGinley,Gloria Reuben / 2000

★★★

けっこう楽しめる

 カナダ製のTVミニシリーズ。監督のミカエル・サロモンは、一般に失敗作とされているが私はかなり気に入った『フラッド』の人で、あれ以来、TV関係の仕事しかできないようだ。ディーン・R・クーンツ原作のSF。

 IMDBによると4時間あるはずなのだが、日本で発売されているDVDは3時間だった。ストーリーのいくつかの部分で説明と展開が不十分と感じられた箇所があった。カットしたのだとしたら残念である。

 クーンツ原作だから安っぽい、しかし泣ける話ではある。飛行機事故で妻と娘を亡くしたビリー・ゼインの前に、グロリア・ルーベン演じる謎の女が現れ、悲しむ必要はないと告げる。それをきっかけに事故についていろいろと調べていくうちに、ジョン・C・マッギンリー率いる謎の国家機関のチームが彼を追いかけてくる。果たして自分の妻と娘は生きているのか!?

 ビリー・ゼインは、そのような苦悩を抱えた男を演じて見事。私はクーンツの小説はあまり好きではない。読んでいると泣けてくることがあって、自分がそんな安っぽい仕掛けに引っかかっていることを悔しく思うのである。そういう仕掛けを、ビリー・ゼインは見事に体現している。妻と娘を失い、絶望の底にいるときにかすかに見えてきた希望の光にすがらざるをえない、という心情をうまく表現しているのだ。

 だが、この主人公の印象も、本作のジョン・C・マッギンリーの素晴らしさの前にはかすんでしまう。「狂った秘密エージェントを演じてほしい。どんな人物にするかは君に任せるよ」という要請を受けて、あらゆる心理的抑制を取り払って思う存分やりました、という感じだ。彼の得意な、アグレッシブでエキセントリックな人物像を楽しんで演じている。ファンとしては嬉しい限り。

 謎の女を演じるグロリア・ルーベンは『ER 緊急救命室』でおなじみの女優で、テレビ俳優としての限界を感じた。出番が少なく、見せ場もほとんどない。カットされた部分に入っていた可能性はある。

 全体として成功作とは言いにくいが、ビリー・ゼインとジョン・C・マッギンリーのファンは楽しめるだろう。

2002/10/5

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