CNN Tribute - America Remembers

CNN Tribute - America Remembers

CNN / ドキュメンタリー / 2002

★★★

ファナティックだが資料的価値はある

 CNNが製作した2001年9月11日のテロリスト攻撃に関するドキュメンタリー。約90分のニュース映像を使って、事件当日の進展から、アフガニスタン侵攻とタリバン追放までを描く。放映されたのは2002年の8月頃だと思われる。

 CNNの公式サイト。また、amazon.comのDVDの製品ページ。DVDはリージョン1なので注意されたい。

 DVDにはボーナスとして、ブッシュ大統領が攻撃後に下院において行った演説のほぼ全体が収録されている。

 CNNはしばらく前から「右傾化」し、9/11以降は完全に国策テレビ会社のようになってしまったと言われており、本作はたしかにファナティックといえるほどにアメリカ中心主義的だった。ボーナス・トラックのブッシュ大統領の演説の様子は見ていると背筋が寒くなってくるが、番組全体がそれを煽るような愛国主義者の宣伝番組のように作られている。まあしかし、資料的価値のある映像が多く収録されていて、amazon.comのユーザー・コメントによれば、各ネットワークが1周年記念として作った番組の中では最も出来がいいようなので、とりあえずこれを押さえておくといいのかもしれない。

 なお、個人的事情。私は事件当日、両方のビルが崩壊した後にニュースを知って、ケーブル・テレビで現地時間の夜までCNN、CBS、ABC、MSNBCなどの番組を見続けていた。しかし、その後はこの事件に関するテレビ報道を一切見なかった。メディアが事件のさまざまな映像に発情していると感じて、気持ち悪くなってしまったからである。

 日本人の「この事件が衝撃的だった」という感想のうちのかなりの部分は、「飛行機がビルに衝突するシーンにしびれた」、「ビルが崩壊するシーンがかっこよかった」と同義だろうと思う。諫早湾干拓問題も、水門が閉じられるかっこいい映像があってこその社会問題化だったろう。

 あれから1年が経ち、そろそろいいかと思って、9/11事件に関するDVDを数枚購入した。本作と、『In Memoriam: New York City』『Why the Towers Fell』、そして『9/11』である。これらの中で、本作は最も網羅的で時間も長いため資料的価値は高いのだが、見ていて一番不愉快になる作品である。

2002/10/18

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