Why the Towers Fell

Why the Towers Fell

NOVA / ドキュメンタリー / 2002

★★★

面白いが、少し不満

 PBSで放映された科学ドキュメンタリー。NOVAシリーズ。9/11事件で、WTCタワーがなぜ崩壊したかを、FEMAのレポートに基づいて解説する。副題は"An Exclusive Investigation into the Collapse of the World Trade Center"。約50分。amazon.comのDVDの製品ページ。DVDはリージョン1なので注意されたい。

 なお、Federal Emergency Management Agency (FEMA)とStructural Engineering Institute of the American Society of Civil Engineers (SEI/ASCE)の調査に関するエグゼクティブ・サマリー

 WTCタワーの崩壊に関しては、専門家の間でも見解がいろいろと分かれているようで、本作は、(1) あれで十分、(2) もっとどうにかなったはずだ、の両論を紹介している。本作はしっかりした作りの科学番組なのだが、私には情報密度が薄いと感じられた。活字の情報に接する上での視覚的な補助資料としては有用だろうが、これだけだと不満が残ると思う。

 以下、私にとっての新知識。

 2つのタワーは、異なるメカニズムで崩壊した。これは旅客機の衝突角度が違ったせいである。8時45分、ノース・タワーに対して最初の攻撃を行ったアメリカン航空11便は、タワーの壁面に対してほぼ垂直に突入した。旅客機は建物内部に進入し、タワーのコア部分を破壊した(このため、階段が破壊され、上層にいた人々は取り残された。また、ジェット燃料がエレベーター・シャフトから流れ落ち、地上にまで到達した)。一方、9時3分にサウス・タワーに衝突したユナイテッド航空175便は斜めに進入し、隣接する2つの壁面を破壊した。コア部分が完全には破壊されなかったため、上層部から階段を下りて助かった人がいる(ただし4人のみ)。

 その後、サウス・タワーは10時5分に、ノース・タワーは10時28分に崩壊した。サウス・タワーは、壁面2つが破壊されたために、残った壁面が外向きにたわみ、ビルの床と壁面の連結部分が水平方向の張力に耐えられなくなったことが原因で崩壊した。一方、ノース・タワーはコアの部分の崩壊が先に起こり、それに引っ張られる形でタワー全体が崩れた。

2002/10/18

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ