スパイ・ゲーム

Spy Game

Tony Scott / Robert Redford,Brad Pitt,Catherine McCormack,Marianne Jean-Baptiste / 2001

★★★★

良い脚本

 トニー・スコット監督作品(『エネミー・オブ・アメリカ』)。本作は、この人のいままでの最高傑作なんではないかと思う。

 ロバート・レッドフォード演じるCIAエージェントが、引退する最後の日に、かつて現場工作員として使っていたブラッド・ピットが中国の刑務所への侵入を試みて捕まったというニュースを受け取る。保守化したCIAは、中国との貿易問題の関係上、この事件をうやむやのまま終わらせようとする(舞台設定は1991年。このあたりのCIAの変化については、『See No Evil』が詳しい)。冷戦期の勇士であり、絶滅する運命の恐竜であるロバート・レッドフォードは、これまで身につけたスキルをフルに活用して、官僚主義をバイパスし、ブラッド・ピットを救おうとする。という、まるでジョン・ル・カレやブライアン・フリーマントルの小説のような本格的なスパイものだった。原案・脚本のマイケル・フロスト・ベックナーはルイス・ロッサの『山猫は眠らない』(1992)の脚本を書いた人で、最近ではTVシリーズ"The Agency"のエグゼクティブ・プロデューサーをやっているようだ。

 この脚本と、役者たちの素晴らしい演技が、トニー・スコットのセンスのなさを相殺している映画と言えると思う。特にロバート・レッドフォードの円熟味が素晴らしく、ようやく年相応の(クリント・イーストウッドやポール・ニューマンには30代のときからあったような)貫禄を身に着けたという感じがする。

 それにしても、カメラが急に移動するとき(何か専門用語があるのかもしれんが、移動中に部分的にコマを落とすテクニック)には、なぜ「ぶーん」という効果音が入るのだろうか? これ、20年後ぐらいには非常に恥ずかしいものになっていると思う(私はいまでも恥ずかしいが)。

2002/10/22

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