ロシアン・ブラザー

Brat

Aleksei Balabanov / Sergei Bodrov Jr,Viktor Sukhorukov,Svetlana Pismichenko / 1997

★★★★

ハードボイルドの佳作

 監督・脚本のアレクセイ・バラバーノフは、『フリークスも人間も』(1998)(未見)の人。本作はその前年のデビュー作。原題はロシア語でそのものずばり「ブラザー」という意味。

 セルゲイ・ボドロフJr(映画監督のセルゲイ・ボドロフの息子)演じる軍隊帰りの青年が、兄を頼ってサンクト・ペテルブルクに行く。その兄は犯罪組織から仕事を受注する殺し屋になっており、青年は兄の頼みを聞き入れて代わりに仕事を行うようになる。

 非常に素直な、1960年代のフランス映画や日本映画を思わせるフィルム・ノワール。その青年は、悪人は殺すが善人を助ける善良な男で、しかもやたらと強い。Nautilusというバンドの曲が大好きで、ハウスが嫌いという設定は、小林旭の渡り鳥の、その当時でもかなりダサかったはずの民謡ソングを連想させる。いや、別にNautilusが民謡だというわけではなく、グランジの入ったフォークという感じの、あるいはトム・ウェイツっぽい音楽をやるバンドである。

 端正な作りの映画で、大いに好み。いまさら、という感じもするが、ロシア映画としては新しい趣向なのだろう。2000年に続篇が作られた。残念なことに、主役のセルゲイ・ボドロフJrは2002年9月に氷河崩落に巻き込まれて死去したとのこと。

2002/11/2

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