エネミー・ライン

Behind Enemy Lines

John Moore / Owen Wilson,Gene Hackman,David Keith / 2001

おそろしく下らない

 監督のジョン・ムーアは、この前に1作監督作品があるようだ。

 ボスニア紛争時のユーゴスラヴィアで、米海軍機が進路をそれて、偶然にセルビア人たちの軍事施設を発見し、撃墜されてしまう。空母の艦長ジーン・ハックマンは、生き残ったオーウェン・ウィルソンを救出しようとするが、米軍の介入が停戦合意の妨げになるという理由から作戦行動を禁じられる。このためオーウェン・ウィルソンは1人で中立地帯まで徒歩で脱出しなくてはならなくなる。

 能天気なアメリカ万歳の世界観は措くとしても、頭が腐っているんじゃないかと思うほどダメな脚本だった。追跡者のウラジミール・マシコフは、森林の中を逃走するオーウェン・ウィルソンを追跡する超人的な能力と、必ずぎりぎりのところで取り逃がしてしまう間抜けさを備えている。最後になってジーン・ハックマンは海兵隊の隊員たちに「これは危険なミッションだから、志願したくない者は退くように」と述べるが、その海兵隊はヘリコプターから一度も降りることなく、地上の無防備なセルビア人たちを圧倒的な火力でもって虐殺する。トニー・スコットばりの無意味に動くカメラとブラッカイマー風のくだらない音楽が、本作を見るに耐えないものにしている。

 デヴィッド・キースがジーン・ハックマンの副官の役で出演。

2002/11/8

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