ネイムレス 無名恐怖

Sin nombre, Los

Jaume Balaguero / Emma Vilarasau,Karra Elejalde / 1999

★★★

尻すぼみ

 監督・脚本のフォーム・バラゲロは、これが長篇第1作とのこと。5年前に誘拐され、死体で見つかった娘から助けを求める電話を受けた母親が、謎を追っていくにつれて、恐ろしい真相を発見する。

 問題は、その真相がそれほど恐ろしくない点にある。映画の前半は、なかなか落ち着いた映像で、母親や引退した刑事の苦悩がじっくりと描かれてそれなりに見応えがあるのだが、ネタが見えてくればくるほど「な〜んだ」という感じになっていく。最後の展開と謎明かしは、はっきりいって掘り下げが足りない。

 たまたま最近見た『テシス/次に私が殺される』もそうだったのだが、スペインでは、何かやばいことを発見した場合でも警察には行かないのが普通なのだろうか? 警察行けよ、警察。特に謎の組織のアジトを発見したと思った場合には、無理して(しかもわざわざバラバラに1人ずつ)踏み込んだりせずに、警察に通報してみんなで一緒に行くようにしましょう。また、本作の登場人物たちがそういう行動を取っていたら、謎の組織の計画はすべて瓦解していたはずなので、この組織のやり方はヌルいと感じられる。こんなやり方で生き残っているのが不思議ではある。

 死んだと思っていた娘がもしかしたら生きているのでは、というプロットの映画としては、ディーン・R・クーンツ原作の『生存者』の方が普通に泣かせてくれる。ちなみにこちらはラムジー・キャンベル原作で、トーンはぜんぜん違う。

2002/11/8

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