光の旅人K-PAX

K-PAX

Iain Softly / Kevin Spacey,Jeff Bridges,Mary McCormack,Alfre Woodard / 2001

★★★

うまいが、ちょっと気持ち悪い

 イアン・ソフトリー監督作品。K-PAX星人を自称するケヴィン・スペイシーと、彼が入れられた精神病院の患者たち、および精神科医のジェフ・ブリッジズとの交流を描くファンタジー映画。

 物語を淡々と進める、結論を簡単に出さない、ケヴィン・スペイシーはサングラスをかけるなどの意図的な手法が少し気持ち悪い映画ではあった。なんというか、最初から「こういう形で感動させるつもりなんだな」と予想していたら、その通りになってしまったという後味の悪さがある。その「形」は最初から見えるので、全体的なトーンに一貫性があると言えなくもないのだが。

 私はSF好きなので、ケヴィン・スペイシーが本当に宇宙人かもしれないという疑問を抱いた周囲の人々が、真剣に調査を進めないのがどうも不満である。その意味で、本作はSFとしてはヌルく、さじ加減がちょうどいいといって許すことはできないような内容だ。地球に観光に来ているあなたは、なぜ精神病院でこんなに長い時間を過ごしているんですか、となぜ誰も問わないのか、とか。

 そういう疑問もひっくるめて、映像とストーリーテリングの力でごまかしてしまおう、というのが本作の主眼である。ケヴィン・スペイシーはジェフ・ブリッジズの『スターマン』と比べるとあまりに人工的な演技派に見えるのだが、本作のジェフ・ブリッジズは素晴らしく、見事に成熟したなと誉めてやりたくなる。妻の役のメアリー・マコーマックも落ち着いた役をうまくこなしており、全体的にジェフ・ブリッジズの自宅での場面は見事にできている。んだが、精神科医が入院患者を妻も子供もいる自宅に招待するかという根本的な疑問が残る。あるいは、他の患者はなぜ招待しないのか。どうも、「映画スターのケヴィン・スペイシーだから招待した」という感じがしてくるんだよな。

2002/12/13

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