Law & Order

Law & Order

Dick Wolf / Michael Moriarty,George Dzundza,Chris Noth,Richard Brooks,Dann Florek,Steven Hill / 1990

★★★★★

さすが名作と言われるだけのことはある

 TVシリーズ。1990年に始まった本シリーズは、いくつかのスピンオフを生み出しながらいまも続いている大ヒット作である。今回、第1シーズンのDVDが発売されたので、購入した。amazon.comのプロダクト・ページを参照。ただしDVDはリージョン1なので注意されたい。

 『デンジャラス・ウーマン』というタイトルのビデオ/DVDは、このTVシリーズの、ジュリア・ロバーツが出演しているエピソードと、それとはまったく別のエピソードを合わせて、まるで1本の映画であるかのように見せかけた詐欺商法であった。ひどい話なのだが、作品としての質は高く、いつか本シリーズをまとめて見たいと思っていた。

 で、さすがにこれはよくできている。60分枠なので、放映時間は45分。前半で事件を捜査する刑事の活動を描き、後半でそれを裁判にかける検察官の活動を描くというフォーマットを頑なに守る。90年代になって流行したドキュメンタリー・タッチのハイスピードのTVドラマ、この映画メモで取り上げているものでいえば『ER 緊急救命室』『サード・ウォッチ』などの源流はここにある。このDVDには製作者のディック・ウルフのインタビューが入っているのだが、彼の話によると、パイロットが作られた1988年頃には、このようなスタイルのTVドラマはまったく存在せず、最初の1年間は何回も放映時間帯が変わったそうだ。

 2002年のいま見ても古さは感じられない。むしろ脚本の質や演出の渋さは、『ER』や『サード・ウォッチ』よりもずっと上である。先駆者であるがゆえに、マーケティングを考慮したバランスをまだ取っていないという事情があるのかもしれないが、「ほんとにこれテレビで放映できたの?」と言いたくなるぐらい渋くてかっこいい。地方検事補のマイケル・モリアーティとリチャード・ブルックス、そして地方検事のスティーヴン・ヒルの3人のやり取りは、「渋くやろう」という方針を最優先にして演出された室内劇のようである。刑事の方のジョージ・ズンザとクリス・ノース(『SEX and the CITY』のMr. Big)、そして警部のダン・フロレックも悪くない。

 リーガル・サスペンスのファンとして言わせてもらえれば、本作で使われる法律上のトリックもよく考えられており、毎回満足できる。ちなみに、検察官を主役に据えるという試みも、当時はきわめて大胆だったとのこと。

 アメリカの裁判制度と法律用語に関する知識がないとちょっとつらいかもしれないが、それをクリアできる人にはお勧めできる名作である。

2002/12/27

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