フロスト警部

Touch of Frost, A

TVシリーズ / David Jason,Bruce Alexander / 1992

★★★

悪くないのだが、ちょっと勘が狂った

 イギリスのTVシリーズ。1992年から放映されている長寿番組である。下敷きになっているのはR・D・ウィングフィールドのミステリ小説で、この読書メモでは『フロスト日和』『夜のフロスト』を取り上げている。今回、日本でもDVD/ビデオが発売されたので、第1話と第3話を見てみた。それぞれ1時間40分ほどの長尺。

 まず最初に書いておくが、原作のシリーズは非常に面白い。関心がある人にはぜひお勧めしたい、質の高い英国風ミステリである。私は原作が大好きなので、このTVシリーズもいつか見たいと思っていた。今回ようやくその機会に恵まれたわけだが……

 ちょっと勘が狂ったのである。小説を読んでいると、主人公のフロストは思いこみの強い、周囲の迷惑をかえりみない下品な人物であるという印象を受けるのだが、このTVシリーズでデヴィッド・ジェイソンが演じているフロスト警部は、ウィリアム・H・メイシーをほんのちょっとだけ品を落としたというていどの、ごく普通に魅力的な警官なのだ。そのため、本シリーズはごく普通の警察ものになっているように見えた。

 エピソードを2つ見ただけだが、TV版の脚本も原作と同じように、警察の捜査活動は直線的ではないというモチーフを採用しているようだ。それを英国風の渋い映像で作っているので、たぶん他のエピソードも大人の鑑賞に堪える安定した出来なのだろう。ただ、たとえばほぼ同じ時期のアメリカ製のシリーズ『Law & Order』のような強烈な刺激はなく、英国のおばあちゃんがティーを飲みながら毎週楽しんで見ています、という感触の番組である。

2003/2/28

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