ジェイソンX

Jason X

James Isaac / Kane Hodder,Lexa Doig,Chuck Campbell,Lisa Ryder,Peter Mensah / 2001

★★★

いまいちだが、楽しい

 監督のジェームズ・アイザックには、1989年に『デビルジャンク』という監督作品がある。その後はデヴィッド・クローネンバーグの特撮の仕事を多くやっていたようで、本作ではクローネンバーグがゲスト出演している。

 『13日の金曜日』シリーズの10作目。私は、このシリーズは最初の3作しか見ていない。もともと『13日の金曜日』は、当時のスラッシャー映画の先駆者的存在ではあったものの、はっきりいって映画としては面白くなかった。見ていないからわからないけれども、その後のシリーズ作品もたぶんつまらないんだろうと思う。

 しかし本作は、これまでの作品とはまったく違う新趣向に挑戦している(と関係者全員がインタビューでそう強調しているんで間違いないだろう)。ヒロインの女科学者とともに冷凍保存されたジェイソンが、2455年に宇宙船の中で蘇生させられ、暴れ回る。

 この映画メモではアメリカの低予算B級SFパニック映画をけっこうたくさん取り上げているが、本作はあれらに普通のレベルの予算をぶち込み、普通のレベルの役者を起用した、ほど良い感じのB級作品に仕上がっている。登場人物たちがスラヴ系言語訛りの英語ではなく標準的なアメリカ英語を喋るだけでも、そうとうな高級感が感じられる。あとやっぱり、この手の映画の質感は、殺されるブロンドの女の子のきれいさに大きく左右されるよなと改めて思った。本作の殺され役女優のレベルはけっこう高い。

 また、本作は明らかに『スクリーム』以降のポスト・スラッシャー・ムービーとでも呼ぶべき時代状況を踏まえて作られている。『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』と似た自意識があるが、言及の対象は『13日の金曜日』のシリーズに限られず、宇宙船内部を舞台にした限定状況SF映画にも及んでいる。細かいことはネタバレになるので書かないけれども、パロディ、コメディとしての側面が大きい。そもそも、上に書いた、ジェイソンとヒロインを発見した宇宙船が学生実習用の船だったという設定がすでに自己韜晦的なギャグなんだろうと思う。

2003/5/8

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