バーバー

Man Who Wasn't There, The

Joel Coen / Billy Bob Thornton,Frances McDormand,Michael Badalucco,James Gandolfini,Scarlett Johansson / 2001

★★

観客を嘗めている

 コーエン兄弟(『オー・ブラザー!』『ビッグ・リボウスキ』)。1940年代のサンタローザを舞台にした、ロウキーなハードボイルド。モノクローム作品だが、私が見たDVDはカラー版だった。撮影監督のロジャー・ディーキンスに対するインタビューによると、ビデオ/DVDをカラーにしなくてはならないというマーケティング上の理由から、カラー・フィルムで撮影して白黒化するという手順を踏んだとのこと。

 モノクロということもあって、鈴木清順の『殺しの烙印』を連想した。本作は『殺しの烙印』と比べればいたって普通の映画であるけれども、観客を嘗めきっているという点が共通している。こういうのに喜んでちゃいけない、というのが日本映画の凋落がわれわれに与えた教訓である。

 まあしかし、細かいところに面白い要素がないわけではない。ピアノを引く美少女は、『モンタナの風に抱かれて』のスカーレット・ヨハンソン。その父親のリチャード・ジェンキンスや弁護士のトニー・シャローブなどの存在感が凄い。

2003/5/20

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