アバウト・ア・ボーイ

About a Boy

Chris Weitz,Paul Weitz / Hugh Grant,Toni Collette,Nicholas Hoult,Rachel Weisz / 2002

★★★★

一皮むけたヒュー・グラント

 監督のウェイツ兄弟は、『アメリカン・パイ』の人たち。ニック・ホーンビィ(『ハイ・フィデリティ』)が、自らの原作の製作総指揮に絡んでいる。例によって中年一歩手前の独身男性の迷いと救済の話。

 驚いたことに、ヒュー・グラントが素直にダメな奴を演じてイヤみでないという新境地を開拓している。DVDに収録されている監督インタビューでは、「彼もようやく自分に近いキャラクターを演じる気になったんだろうね」という怖い発言が飛び出しているのだが、要するに「軽薄だけど可愛い」とか「軽薄だけど根はいいやつである」というような逃げ場のない、純然たる軽薄さということだ。

 ウェイツ兄弟は、『アメリカン・パイ』とはまったく違うタイプのコメディを同じような繊細さで成功させている。こちらの作品の方が難易度は高かったかもしれない。『ハイ・フィデリティ」のスティーヴン・フリアーズとジョン・キューザックの組み合わせよりもずっといいのは、製作にも絡んでいるジョン・キューザックに、本作のヒュー・グラントほどの覚悟がなかったためだろうと思う。

 クライマックスの舞台の場面の切なさと緊張感はめったに見ないレベルの高さ。名場面である。子役のニコラス・ホルトが名演。その母親にトニ・コレット。ロマンスの相手役にレイチェル・ワイズ。

2003/6/6

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