サラマンダー

Reign of Fire

Rob Bowman / Christian Bale,Matthew McConaughey,Izabella Scorupco / 2002

★★★★

小粒だが安定

 監督のロブ・ボウマンは『X-ファイル ザ・ムービー』の人。

 地下から太古のドラゴンが姿を現すエピローグが終わると、滅亡の危機に瀕した人類があちこちにコミューンを作って暮らしている時代にまでひとっ飛び。1960年代SF風の風景のなか、イングランドの炭坑跡でクリスチャ・ベイルが小さな集団を率いている。ちなみに、こうやって人類を脅かすモンスターは「サラマンダー」じゃなく「ドラゴン」そのもの。

 そこにマシュー・マコノヒーがアメリカの州兵を率いてやってくる。このマシュー・マコノヒーが頭を剃ってすごいんだけれども、声のコントロールがうまくできていないのか、どこかチグハグな感じがあって微妙に面白い。ヘリコプターのパイロットに、『バーティカル・リミット』で大いに注目したイザベラ・スコルプコ。本作でも、『バーティカル・リミット』と同じように、どうもストーリーの中心に絡みそうで絡めない、中途半端な役回りである。こういうのが私は好きだ。

 全体的なストーリーや妙な貧乏くささはともかく、本作はマシュー・マコノヒーとイザベラ・スコルプコ、そして、素晴らしいアイデアでありながらまったく活かせていない「アーチエンジェル」たちによるドラゴン狩りのシーンのせいで一見に値する。本作は主人公たちが敵地のロンドンに出向いていって、ほんとはそうとわかるはずもない「一匹だけのオス」を退治することで人類全体を滅亡から救うというハッピー・エンディングを迎えるのだけれども、この話よりも、マシュー・マコノヒーとイザベラ・スコルプコがアメリカで初めてドラゴンを殺し、大西洋を渡ってイギリスにやってくるまでのドラマの方が10000倍ぐらい面白そうだ。それを想像させるだけの説得力が、マシュー・マコノヒーとその部下たちの佇まいには十分にあった。

 それに比べると、それ以降の話、つまりこの映画自体はあんまり面白くないのだが、こじんまりとまとまっている予想外の佳作と言える。

2003/6/6

IMDBの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ