邦題考6

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配給会社が外国映画の日本公開にあたって付ける邦題にケチをつけるという企画の第6弾。「映画メモ」で取り上げている映画を扱っています。なお、この「邦題考」の★は、映画ではなく日本語タイトルの評点で、★3つは可もなく不可もないことを表します。

過去のものは、「第1回」「第2回」「第3回」「第4回」「第5回」

2002/2/14

『Fカップの憂うつ』"Slums of Beverly Hills"
邦題から期待を抱いて見た人は非常にがっかりする、70年代テイストのコメディ映画。思春期を迎えつつある主人公の少女が、胸が大きくなってきたことを悩んでいることを指している。原題は、その主人公の一家が低所得者層なのにもかかわらずビバリーヒルズに住むことに固執していることからきている。★

『ポイズン』"Poison"
ハイティーンのファム・ファタールもの。同じ原題と邦題の組み合わせの映画が他に2つある。★★★

『A.I.』"Artificial Intelligence: AI"
「人工知能」。"A.I."はアメリカにおけるプロモーション用タイトルである。たぶんアメリカ人もスピルバーグも、この映画のことは「エーアイ」と呼んでいるだろう。★★★

『ジュラシック・パークIII』"Jurassic Park III"
『ジュラシック・パーク』"Jurassic Park"、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』"The Lost World: Jurassic Park"に続くシリーズ3作目。シリーズになりそうな映画は、極力、直訳した方がいい。"The Mummy"を『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』としてしまったおかげで、その続篇"The Mummy Returns"は、ハムナプトラとは別の町が舞台となるにもかかわらず『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』という邦題にしなくちゃいけなくなった。★★★

『PLANET OF THE APES/猿の惑星』"Planet of the Apes"
1968年の同タイトルの『猿の惑星』の「リメイク」ではない「リイマジネーション」。『GODZILLA ゴジラ』『Emmaエマ』よりはマシな英語と日本語の併記。なお、"ape"は「類人猿」であり、そうでないサルは"monkey"。★★★

『フォーリン・フィールズ』"På fremmed mark"
デンマーク映画。日本のマーケティングでは原題を"Foreign Fields"という英語にしている。国際的な映画祭ではこの英語タイトルが併用されたようだ。で、このデンマーク語の原題の意味はわからなかった。★★

『アルゴノーツ 伝説の冒険者たち』"Jason and the Argonauts"
1963年の同タイトルの名作は『アルゴ探険隊の大冒険』という邦題だった。ジェイソンは「イアソン」。Argoは冒険者たちが乗り込む船の名前。このギリシャ神話の物語の概要。★★

『K-911』"K-911"
1988年の『K-9/友情に輝く星』の続篇。タイトルはアメリカの110番にあたる電話番号911に掛けている。このセンスのなさが示しているように、非常につまらないコメディ映画。配給会社は副題を付ける気力もなくしたようだ。★★★

『絶体絶命2001』"Verfolgt! - Madchenjagd auf der Autobahn"
またもや、日本でのビデオ発売の年度が入ったタイトル。このドイツのTVムービーは1998年の作品である。原題を直訳すると「追われる! - アウトバーン上の少女狩り」という凄まじいものになる。日本の「火曜サスペンス劇場」のノリなのである。けっこうよく出来た作品だった。★

『ダドリーの大冒険』"Dudley Do-Right"
子供向けアニメの実写版。正しいことしか行わない正義の味方の騎馬警官ダドリーが主人公。子供向け映画であるということを考えると、邦題はこれで仕方ないか。★★★

『ロック・ネス』"Beneath Loch Ness"
いわゆる「ネス湖の怪獣」が出てくるクリーチャー映画。『ホワット・ライズ・ビニース』というタイトルでもよいような内容の映画である。★★

『グリーン・デスティニー』"Crouching Tiger, Hidden Dragon"
中国語タイトルは『臥虎藏龍』。邦題は、映画の中に出てくる剣の名前「青冥剣」を無理矢理英語にしたものらしい(詳しい説明を参照)。まあ、これが本質的にアメリカ映画であるということを見切った邦題の付け方ということになるだろうか。このおかげで今後日本人は、アメリカ人だけでなく中国人ともこの映画の話をするのに苦労するにようになった。★

『シックス・デイ』"The 6th Day"
『シックス・センス』と同じ序数の「シックス」。「ザ・シックス・デイ」とすれば、"Six Days"との混同を避けることができるはずなんだが。★★

『パップス』"Pups"
「子犬」。ローティーンの少年と少女が銀行強盗をし、人質をとって立てこもる。その幼さの哀れさがテーマの映画。★★★

『アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキ』"The Attack of the Giant Mousaka"
"mousaka"はギリシャの伝統料理「ムサカ」で、いかなる意味でも「ケーキ」ではない。ギリシャの街で、ムサカに宇宙人が乗り移って巨大化し、人々を襲う。大阪を舞台にした『アタック・オブ・ザ・ジャイアントお好み焼き』というような映画を想像すればよい(ムサカは垂直方向に大きいので「モダン焼き」の方がよいか)。その映画が英米で"The Attack of the Giant Pizza"として公開されたら、たぶん日本人は怒るであろう。★

『アタック・オブ・ザ・ジャイアントウーマン』"Attack of the 60 Foot Centerfold"
1 footは約30 cmなので、60 footは18メートル。"centerfold"は、雑誌の中央のページの見開きのこと。要するにヌード写真。巨大化したヌード・モデルが街を歩き回るバカな低予算映画。「アタック・オブ・ザ」は1978年の『アタック・オブ・ザ・キラートマト』以来OKになった。「ジャイアントウーマン」では弱いので、「巨大グラビア・クイーン襲撃!」みたいなのでよかったんではないか? ★

『宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式』"The Mating Habits of the Earthbound Human"
「地球に棲息する人類の交尾習性」。宇宙人向けのドキュメンタリー映画(ナショナル・ジオグラフィックとかディスカバリー・チャネルみたいなやつね)の体裁をとっているコメディ映画。"earthbound"は「世俗的な」でもあるが、ここではまさに「地球に棲息する」である。邦題は、まあ仕方がないか。★★★

『スペース カウボーイ』"Space Cowboys"
これもまた、複数形を単数形にしているせいで誤解を招きかねない邦題である。主人公の老人クリント・イーストウッドが昔の仲間3人を呼び集めて宇宙に出る。この「カウボーイ」には「古い」と「ルールに従わない奔放さ」の2つの意味が込められているか? ★

『ふたりの男とひとりの女』"Me, Myself & Irene"
苦肉の策か。"Me"と"Myself"は、ジム・キャリー演じる主人公が二重人格者であることを指している。Ireneはレニー・ゼルウェガー演じるヒロイン。ところで、アメリカの"Two Guys and a Girl"というTVシリーズに『ふたりの男とひとりの女』という同じ邦題が付けられているようだ。★★

『ピッチブラック』"Pitch Black"
「真っ暗な」という意味。宇宙船が、周期的に長い夜を迎える惑星に不時着し、暗闇に適応した生物が地上に出てくる。何となく中黒が欲しいのだが、これでもいいか。★★★

『ザ・クラフト』"The Craft"
これは"witchcraft"、つまり「魔術」、「魔法」の意味。ハイスクールの陰気なオタク少女4人が魔術を実践していると、大変なことが起こる。★★★

『クラッシュポイント・ゼロ』"Crash Point Zero"
中黒が中途半端なのが気持ち悪い。"ground zero"と同様に、この"zero"は「ゼロ地点」、つまり飛行機の不時着地点を指している。つまらないB級映画。★★

『ノー・ルッキング・バック』"No Looking Back"
「振り返らずに」。主人公の女性が過去のしがらみ(特に男関係)を捨てて田舎町を出る。★★★

『名犬ラッシー』"Lassie"
「リンチンチン」もいるが、やはり名犬は「ラッシー」である。皮肉なことに、ラッシー君初登場の1943年の"Lassie Come Home"は『家路』という邦題となった(日本公開は1951年)。これの続篇が1946年の"Courage of Lassie"なのだが、長く日本公開はされず、1985年になって『名犬ラッシー』として公開されたようだ。だから、1960年頃に放映されたTVシリーズ『名犬ラッシー』が、この名前(と特に「名犬」という言葉との組み合わせ)の定着のきっかけとなったと推測される。ところで"lassie"という名詞はもろに「お嬢さん」という意味なのだが、日本語の「ラッシー」はオスっぽくないか?★★★

『アースクエイク』"Ground Zero"
ひどいB級映画なので、タイトルもおざなりである。原題は「ゼロ地点」、「爆心地」。この映画では地震がテーマなので「震源地」なんだが、悪者が爆弾を爆発させて地震を誘発させるという悪巧みをする。ちなみに1974年の"Earthquake"の邦題は『大地震』。★

『NYPD15分署』"The Corruptor"
"corrupt"は「汚職に手を染めた」。原題は他動詞の名詞化なので、「他人を腐敗させる人」。NYのチャイナタウンを管轄する15分署の顔である刑事チョウ・ユンファの下に、新米警官のマール・ウォールバーグが配属され、前者が後者を悪の道に誘い込むことを指すのかもしれない、多義的な意味を持たされている。「NYPD」はTVシリーズ『NYPDブルー』"NYPD Blue"があるのでOKということか? 『LAPD 処刑分署』"LAPD: To Protect and to Serve"というのもあるようだ。★

『フリッパー』"Flipper"
TVシリーズで有名なイルカの名前。本作は、そのTVシリーズのテーマをベースにしたアダプテーション。"flip"は宙返りすること。★★★

『フェリシアの旅』"Felicia's Journey"
主人公のフェリシアという名の少女が、ボーイフレンドの後を追って田舎から出てくるが、そこで殺人者のおじさんに出会う。この「ジャーニー」には「遍歴」のような「いろいろあった」という感じがある。★★★

『クルーレス』"Clueless"
"She is clueless"は「わかっちゃない」ないし「イケてない」、"Get a clue!"は「気づけよ!」である。原題は、主人公の人気者の女子高生が「イケてない」少女にいろいろと指導するが、そのあり方が広い視点で見れば「何もわかっていないclueless」である、というような意味合いだと思われる。★★★

『ベビーシッター』"The Babysitter"
「ベイビーシッター」という表記は、「ベビーシッター」と比べて圧倒的に少ない。特に映画のタイトルでは使われていないようだ。ただし「ベビー・シッター」が使われることがある。ベビーシッターに雇われたハイティーンの少女のファム・ファタールもの。★★★

『クラークス』"The Clerks"
「店員」である。コンビニやレンタル・ビデオ店でバイトする、低所得者層の男たちを主人公とするローファイ映画。★★★

『8月のメモワール』"The War"
邦題は、主人公の少女が学校で「メモワール」を書かされるところから来ている。原題の"The War"は、ケヴィン・コスナーがベトナム戦争から帰ってきたことと、子供たちがツリーハウスを巡ってケンカをすることを指している。もともと原題はよくない。★

『ブレイブ』"The Brave"
定冠詞が付いて「勇敢な者」。ネイティブ・アメリカンの貧困層の男が、家族を困窮した生活から脱出させるために、殺人ショウ(おそらくはスナッフ・ムービー)への出演を承諾するという行為が「勇敢」であるとする、反論も少なくないはずのストーリー。これは邦題にも定冠詞が必要だろう。★★

『WEBMASTER』"Skyggen"
デンマーク。英語タイトルが"The Webmaster"。デンマーク語で"skygge"は「影」の意味で、その複数形。近未来を舞台にしたサイバーパンク的な映画。映画に本当に"web"という言葉が出てきたのかどうかは忘れた。★★

『デーヴ』"Dave"
主人公の名前。日本でタレントをやっているスペクターさんは「デーブ・スペクター」という表記を使っているが、この他に「デイブ」、「デイヴ」のバリエーションがある。なお、ブタが主人公の映画"Babe"は『ベイブ』だが、野球選手が主人公の1948年の"The Babe Ruth Story"は『ベーブ・ルース物語』、1991年の"Babe Ruth"は『栄光の714本/ベーブ・ルース物語』である。★★★

『きっと忘れない』"With Honors"
ハーバード大学の学生たちと浮浪者の交流の物語。原題は、"graduate with honors"で「優等で卒業する」という意味で、主人公のブレンダン・フレーザーらはそれにこだわっているのだが、ジョー・ペシ演じる浮浪者から文字通り「名誉をもって」(with honors)生きることを教えられるという押しつけがましい教訓話である。邦題はジョー・ペシが死ぬことのネタバレ。★

『M:I-2 ミッション:インポッシブル2』"Mission: Impossible II"
アメリカでのプロモーション用の簡略タイトルが「M:I-2」。邦題に「インポッシブル」を使っているのは1999年の『ウォリアーズ/インポッシブル・ミッション』"Warriors"と『オペレーション・インポッシブル』"The 5th Day"で、どちらも原題に"impossible"はない。1968年の"The Impossible Years"は『素敵な年頃』、1981年の香港映画"Impossible Woman"は『レディ・ニンジャ2/夜霧の忍び凧』、1987年の"Impossible Spy"は『スパイ伝説-不可能に挑んだ男』。大笑いしたのは2000年の"Missionary Position: Impssible 2"(正常位: 不可能2)で、『M:I-2 ミッション:インサートフルー2』という邦題がついているが、この原題はIMDBでは発見できなかった。★★★

『ローザス・ダンス・ローザス』"Rosas danst Rosas"
オランダのダンス・グループ"Rosas"の踊りを撮ったもの。この"danst"は、英語の"dance"に相当するオランダ語の"dansen"という動詞の三単現。名詞のダンスは"dans"。この邦題は"Tommorow Never Dies"の『トゥモロー・ネバー・ダイ』級どころか、これを『トゥモロー・デバー・デス』にしたようなものである。「ダンス」が英語の"dance"で動詞であるというのなら、スペイン映画の"Abre los ojos"を『オープン・ユア・アイズ』にした上で、『オープン・ユア・アイ』にしたようなものである(ちょっと違うが)。★

『ディープ・ジョパディー』"Ruby in Paradise"
超バカ邦題。本作は1993年のインディー映画だが、この作品に出ていたアシュリー・ジャッドが後に大スターになり、1999年に『ダブル・ジョパディー』"Double Jeopardy"という映画に出たので、それにあやかろうとして付けている。映画そのものは、主人公のRubyという若い女性が家出をし、フロリダ州の小さな町でささやかに生活しようとする様子を描いた、地味な映画。「若い独身女性が1人で生活することの困難」を描いた誠実な佳作である。★

『恋するための3つのルール』"Mickey Blue Eyes"
ニューヨークで美術商を営んでいるヒュー・グラントは、恋人のジーン・トリプルホーンと結婚したいと望むが、その父親のジェームズ・カーンはイタリア系マフィアの一員だった。で、ジェームズ・カーンはヒュー・グラントを自分の「仕事」に巻き込もうとして、彼を"Mickey Blue Eyes"すなわち「青い眼のミッキー」というマフィアっぽい渾名で同業者に紹介する。ところが周知のとおりヒュー・グラントはバリバリの英国人なので、発音の矯正を含めて大変なことになる。「3つのルール」を真剣に探したのだが、1つすら出てこなかった。★

『コークスクリュー・トラック』"Traumer und das wilde Madchen - Hetzjagd durch Deutchland"
ドイツのTVムービー。原題を直訳すると、「夢見人と勇ましい女の子 - ドイツ全域の狩り立て」という凄まじいものになる。英語に直訳すれば"The dreamer and the wild girl - The hunt through Germany"である。さすがにこれでは、何かそれっぽい邦題をでっちあげざるをえないだろう。「夢見人」は長距離トラック運転手なのでこういう邦題になったわけだが、実はこのトラック、映画のかなり早い段階で壊れてしまい、主人公たちは普通の乗用車に乗り換えるのである。トラック・フェチの人は騙されたと思っただろう。★

『マイ・ドッグ・スキップ』"My Dog Skip"
"Skip"は犬の名前。邦題は「私の犬はスキップする」と勘違いしかねない。なんせ『トゥモロー・ネバー・ダイ』という邦題がある国である。★★★

『スプリング 死の泉』"The Spring"
飲むと不老不死になれる泉があるアメリカの田舎町スプリングヴィルに迷いこんだ親子の災難。「死の泉」は正反対であるが、日本語の「スプリング」は第一義としてはバネのことなので、なんとかして「泉」を入れざるをえなかったということだろう。★★

『ハリウッド・ミューズ』"The Muse"
シャロン・ストーンがハリウッドで活動する「ミューズ」(詩神と訳される、ギリシャ神話上の芸術を司る神様)を演じる。『ザナドゥ』でオリヴィア・ニュートン・ジョンが演じたのもミューズである。「ハリウッド」を付けたのは、単独だと石鹸のように見えるからだろうか? 「ミューズ」という薬用石鹸はプロクター&ギャンブル社の製品だが、この製品名は日本独自のもののようだ。「ミューズ」という言葉を使っている邦題は、意外なことに1982年のドイツ映画『18歳・倒錯のミューズ/妖精』しかない。原題は"Catherine"というシンプルなもの。★★

『オータム・イン・ニューヨーク』"Autumn In New York"
「ニューヨークの秋」。同題のジャズのスタンダード曲が有名。撮影監督のクー・チャンウェイが「よっしゃ腕の見せ所だ」といわんばかりに、紅葉を美しく撮っているのが虚しいだけの駄作である。★★★

『ビッグ・ダディ』"Big Daddy"
この"big"には特に意味がなく、この2語で「お父さん」のこと。"Come to your big daddy"は「パパのところにおいで」である。主演のモラトリアム男のアダム・サンドラーが、5歳の可愛い男の子との交流を通して責任感に目ざめるというどうでもいい映画。★★★

『ザ・シークレット エージェント』"Secret Agent Man"
原題はダサかっこいい路線を狙っている。『オースティン・パワーズ』の副題、"International Man of Mystery"のようなものである。邦題は、「ザ」と「シークレット」の間に中黒を入れ、「エージェント」との間はスペースという、どうにも理解しがたい表記。普通はあっても省略される定冠詞をわざわざつけているのは、1996年の『シークレット・エージェント』"The Secret Agent"との重複を避けるためか。というわけで、"the"が付いているものは省略され、付いていないものに「ザ」が付くという喜劇的な事態となった。★

『誘拐犯』"Die Entfurung"
最初の"u"はウムラウト。このドイツ語は「誘拐」の意味である。日本で流通しているビデオは英語吹き替え版で、"Going It Alone"という英語タイトルがついている。★★

『わたしが美しくなった100の秘密』"Drop Dead Gorgeous"
原題は「ゴージャスなまま死ぬ」または「ゴージャスに死ぬ」。アメリカの田舎の美人コンテストで、競争相手を殺すことによってのしあがる母娘を描いたモキュメンタリー。「100の秘密」はどこにも出てこない。★

『犯罪心理捜査官』"When The Bough Breaks"
この漢字7文字の7・5調のタイトルがダイレクト・トゥ・ビデオの作品ではやっているが、1993年のこの傑作が発端だと思われる。これをもとにしたTVシリーズ"Profiler"は『プロファイラー/犯罪心理分析官』となった。また、まったく関係ないオーストラリア映画"Redball"が『犯罪心理捜査官 最終章』となった。その他、『犯罪心理鑑定人』"Dark Asylum"(2001)、『異常心理分析官』"Ein Mann wie eine Waffe"(1999)、『犯罪潜入捜査官』"The Proposal"(2000)、香港映画の『香港麻薬捜査官』"怒海威龍"(1995)、ちょっと破調で『異常犯罪心理捜査』"The Cold Light Of Day"というのがある。いくつかの作品は、ビデオのパッケージをこの『犯罪心理捜査官』のそれに似せて勘違いを誘っている。『異常心理捜査官』、『異常犯罪心理捜査官』、『異常心理犯罪捜査官』、『異常心理鑑定人』などは空いているのでお早めに。★

『ピクチャー・パーフェクト/彼女が彼に決めた理由』"Picture Perfect"
この"picture"は素直に見れば動詞で、「完璧なものを想像せよ」という意味になる。ただし、このジェニファー・アニストンが主演するロマンティック・コメディの相手役ジェイ・モーアは、結婚式のビデオ撮影を仕事にしているカメラマンである(そうとう地位の低い仕事。日本のようにいいバイトではないのは『ウェディング・シンガー』と同じ)。それに掛けて「完璧な写真/映像」の意味になる。副題は、これがロマンティックな映画であることを伝えるという機能しか持たない。★★

『彼女は最高』"She's the One"
まあそのとおりの内容。『シーズ・オール・ザット』"She's All That"は、この映画がなければこの邦題を使いたかったんではなかろうか。★★★

『ボイスレター』"Letters from a Killer"
妻を殺した容疑で刑務所に入っているパトリック・スウェイジが、カセットテープに録音したメッセージの形で、4人の女性と文通をしている。ところがそのうちの1人がストーカーと化す。この"a killer"は、最初はパトリック・スウェイジを指しているように思えるのだが、実は4人の女性のうちの誰かを指している、という含みが原題にはある。「ボイスレター」という日本語はそこそこ使われているようだが、英語の"voice letter"はそれほど一般的には使われていなさそうだ。完全な和製英語というわけではないようだが。★

『マルコヴィッチの穴』"Being John Malkovich"
ビルの壁の不思議な穴に入ると、映画俳優のジョン・マルコヴィッチの体の中に入り込むことができるという話。原題はかっこいいと思うが、邦題はどうも気に入らない。助詞の「の」が曖昧なために、ジョン・マルコヴィッチの体のどこかに穴があると勘違いしかねない。語呂がいいことは認めるけれども。ちなみにこの「穴」は、英語では"portal"と呼ばれていた。★

『ウィットネス・プロテクション 証人保護』"Witness Protection"
アメリカの連邦政府が実施している証人保護プログラムを描いたTVムービー。犯罪組織に敵対的な証言をする証人に新たな身元を与えて引っ越させるやつである。★

『チャーリーズ・エンジェル』"Charlie's Angels"
なぜ「エンジェルズ」と複数形にしないのか? 日本人は単数形と複数形の使い分けが苦手だと言われているが、それをわざわざ助長してもしかたがないだろうに。★

『サマー・オブ・サム』"Summer of Sam"
このSamは、いわゆる「サムの息子」である。「サムの息子」が連続殺人を行った1977年夏のニューヨークを舞台にした映画。★★★

『妹の恋人』"Benny & Joon"
これには唸らされた。エイダン・クイン演じる主人公のBennyには、メアリー・スチュアート・マスターソン演じる精神障害者の妹Joonがいる。そこにジョニー・デップ演じる奇妙な男Samがやってきて、Joonと仲良くなるというストーリーである。その兄妹の名前をタイトルにしている映画に、第3の男を指示する邦題を付けている。ただ、「妹」という言葉がその兄(または姉)の存在を示唆していることは間違いないので、かなりトリッキーな良い邦題と言えるかもしれない。この4文字で3人の登場人物を表現している。ところで、『妹の恋人』というタイトルは、その妹が兄を持っている場合と姉を持っている場合でずいぶんとニュアンスが違ってくるように思うがどうか?★★★★

『ブルース・ブラザース2000』"Blues Brothers 2000"
この映画の公開年度は1998年である。ところで、これを書いていて恐ろしいことに気づいたのだが、どうやらこの映画の邦題は『ブルース・ブラザース2000』であり、前作は『ブルース・ブラザース』なのである。最後の「ス」は濁らない。私は濁るとばかり思っていた。もっと恐ろしいのは、かなり前に1回このことに気づいて衝撃を受けたという記憶がかすかに残っていることだ。★★★

『エクセス・バゲッジ』"Excess Baggage"
車泥棒のベニチオ・デル・トロが高級車を盗んだところ、トランクの中から粘着テープで縛られ、手錠をかけられたアリシア・シルヴァーストーンが出てくる。これが「余分な荷物」ということなんだと思われる。baggageは「バゲッジ」よりも「バゲージ」という表記の方が普及しているように思うが、発音は前者の方が近いだろう。いずれにせよ、思い切ったカタカナ邦題である。★★★

『アメリカン・プレジデント』"The American President"
アメリカ合衆国大統領を主人公にしたロマンティック・コメディ。もっと固い言い方はthe President Of The United Statesで、かっこつけて"POTUS"と略され、「ポータス」と発音される。その妻はthe First Lady Of The United Statesで、こちらは"FLOTUS"と略される。★★★。

『ミュージック・オブ・ハート』"Music of the Heart"
「心の音楽」。ニューヨークのハーレム地区で低所得者階層の子供たちにバイオリンを教える女教師を描いた実話もの。定冠詞を省略すると、「ハートさんの音楽」かなんかに見える。★★

『バレンタイン・デイ』"Lovers Lane"
原題の「恋人たちの小道」は、田舎町の高校生のカップルがカーセックスをするために車をとめる小道のことを指している。バレンタイン・デイに殺人が行われるスラッシャー・ムービー。1986年の『バレンタインデー』の原題は"On Valentine's Day"、1998年のTVムービー"Valentine's Day"の邦題は『バレンタインズ・デイ』。日本語は柔軟である。★

『ブギーナイツ』"Boogie Nights"
私にはこの"boogie"のニュアンスがよくわからない。ちょっとおどろおどろしい感じ。「ぞくぞくする」あたりか? ★★★

『忘れられない人』"Untamed Heart"
「飼い馴らされていない心」。主人公のクリスチャン・スレーターが素朴な心を持っていることを指すのだと思われる。「忘れられない」という過去形を使っている邦題は、登場人物の誰かが死ぬことのネタバレとなっている。★

『私の愛情の対象』"The Object of My Affection"
直訳の邦題に見えるが、このaffectionは恋愛感情ではなく、愛着とか好意のような感情を指す言葉である。主人公の女性が、同性愛者の男性にそのような感情を抱いてややこしいことになる。あるいは、その男性側の心情を表しているのかもしれない。★★

『モール・ラッツ』"Mallrats"
昼間っからショッピング・モールをうろうろしている低所得者階層の青少年たちを指す言葉として使われている。なぜか中黒が入っている。★★

『わかれ路』"Intersection"
1970年のクロード・ソーテの『すぎ去りし日の…』"Les choses de la vie"のリメイク。モテモテの主人公が、別れた妻と愛人のどっちを選ぶか迷うのが「わかれ路」なのだろう。この邦題は秀逸だと思う。ちなみに1964年に『わかれ道』"One Potato, Two Potato"というアメリカ映画があり、1970年には『マロニエの別れ道』"The Walking Stick"というイギリス映画がある。★★★★。

『60セカンズ』"Gone in Sixty Seconds"
オリジナルの1974年の同タイトルの映画の邦題は『バニシングIN60"』というかなりひどいものだったが、今回の『60セカンズ』もそれに匹敵するか。どんな車でも60秒以内に盗んでしまう、高級車専門の車泥棒のチームの話である。"gone"は「消え去ってしまう」の意味。★

『ホワット・ライズ・ビニース』"What Lies Beneath"
「その下にあるもの」は、死体のことと、普通に暮らしている人間の深層にある正体のことを掛けているのだろう。この邦題は一般に評判が悪いようだが、「氷の殺意」とか「悪意の仮面」とか「沈黙の湖」とか「バスルームの恐怖! 姿形なき幽霊がミシェル・ファイファーを襲う」みたいな代案よりはずっとマシだと思う。★★★

『リプレイスメント』"The Replacements"
フットボールのチームがストライキを打ったので、代理チームのメンバーがかき集められる。だから複数形なのである。★★

『ザ・ネゴシエーター 交渉人』"Deadlocked"
これもまたTVムービーのひどい邦題。裁判所で起こった人質事件を、検事のデヴィッド・カルーソーが解決しようとする。ちなみに『ネゴシエーター』はエディ・マーフィー主演の"Metro"、『交渉人』はケヴィン・スペイシー主演の"The Negotiator"である。『人質交渉人』"The Hostage Negotiator"というのもあるようだ(未見)。★

『タイムトラベラー/きのうから来た恋人』"Blast from the Past"
60年代のキューバ危機のときに核シェルターに入った家族が、30年後に地上に出てくる。これはタイムトラベルではないし、「きのう」ではなく30年前。出てきたブレンダン・フレーザーの強烈なキャラクターを核爆弾の爆発"blast"と掛けている。★

『アメリカン・パイ』"American Pie"
女性の陰部はアップル・パイのようだと言われて、実際に試してみる高校生の物語。直接には1970年代のドン・マクリーンのヒット曲のタイトルであり、サントラではマドンナがカバーした。★★★

『太陽に抱かれて』"The Perez Family"
フロリダに来たキューバ難民の物語。「ペレス一家」だが、本当は血縁関係がない人々が一緒に住む。「鈴木さん」みたいなものか。太陽に抱かれたら死んでしまいます。★

『セレブレティ・デスマッチ』"Celebrity Deathmatch"
ウディ・アレンの映画は『セレブリティ』だが、こちらは『セレブレティ』。表記に揺れが見られる。発音は「セレブレティ」の方が近いとは思う。有名人がリング上で戦うクレイ・アニメーション。★★★

『サンドラ・ブロック in アマゾン』"Fire on the Amazon"
アマゾンの自然破壊をテーマにした、ロジャー・コーマン製作の出来の悪い映画だが、サンドラ・ブロックのヌードがあるということで後から発掘された。アマゾンのジャングルが燃えるシーンがある。邦題のひどさは映画のひどさの指標である。★

『セブンD』"Seven Days to Live"
これは奇怪だ。フィンチャーの『セブン』との連想を狙った邦題だとは思うが、この唐突な「D」はいったい何だ? 原題は実に素直で、主人公の妻の前に余生が7日間という超自然的なメッセージが現れることを指している。ちなみにそのメッセージはカウントダウンする。★

『シャンハイ・ヌーン』"Shanghai Noon"
ジャッキー・チェン演じる近衛兵は北京出身なのだが、アメリカ西部で"Shanghai Kid"としてお尋ね者となることがギャグとして使われている。見終ってしばらくして気づいたのだが、このタイトルは『真昼の決闘』"High Noon"のパロディだろう。『真昼の結党』みたいな邦題にならなくてよかった。★★★

『キッド』"The Kid"
ブルース・ウィリスのもとに、自分の子供時代の少年がやってくるというファンタジー。チャップリンの1921年の作品と同じタイトルと邦題。★★★

『ドグマ』"Dogma"
もろにカトリック教会の教義のこと。現代のアメリカを天使とか堕天使が歩き回るコメディ。★★★

『電話で抱きしめて』"Hanging Up"
反対のことを言っている邦題。原題は「電話を切る」で、主人公のメグ・ライアンが、離れ離れに住んでいる姉妹や父親と電話を通して密接なコミュニケーションをとっており、そのことが彼女を縛っているので、電話を切らないと自分の人生を取り戻せないというようなニュアンスがあるものと思われる。邦題は「電話での会話を通して愛情をください」というような意味だと思うのだが、最初見たときには、電話のコードを相手の体に巻きつけるというような物理的なイメージが浮かんできた。★

『犯罪潜入捜査官』"The Proposal"
『犯罪心理捜査官』とまったく関係のない映画だが、それに似たタイトルを付け、ビデオのパッケージも似せて作っている小判鮫商法。原題の「提案」は、主人公の女性刑事がアンダーカバー・コップとして働く案のことを指しているのだと思われる。主演のジェニファー・エスポジートは"The Bachalor"という映画に出ているが、その邦題が『プロポーズ』だった。★

『チェイシング・エイミー』"Chasing Amy"
監督のケヴィン・スミス演じる「サイレント・ボブ」が、恋人一歩手前の同性愛者の女性の奔放な過去を知って悩む主人公のベン・アフレックに、自分がかつて愛し、失ったAmyなる女性のエピソードを語る。「しっかり捕まえておかなくてはいけないよ」というタイプの教訓。★★★

『あなたに逢えるその日まで…』"'Til There Was You"
これは奇妙だ。原題は「あなたが私の人生に現れたときまで」と過去を振り返っているのに対し、邦題は未来を語っている。映画を最後まで見ると、過去を振り返ったタイトルになっていることの意味がわかる(まあ大した意味ではないけれども)。★

『54 フィフティ・フォー』"54"
ニューヨークのナイトクラブの名前。固有名詞なので副題に「フィフティ・フォー」と付けることに意味があるという珍しい例だ。さすがに「ごじゅうよん」と読むわけにはいかない。「31アイスクリーム」を「さんじゅういちあいすくりーむ」と読むわけにはいかないのと同じ。★★★。

『ミルク・マネー』"Milk Money"
原義は「ミルクなどの生活必須品を買うために支給されるお金」で、この映画では特に「親が子供に渡す小遣い」。悪ガキたち3人が貯めた小遣いを持ち寄って、街に娼婦を買いに行く。★★★

『愛さずにはいられない』"Fools Rush In"
"Fools rush in where angels fear to tread"の前半。「風が吹けば」だけで「桶屋が儲かる」を言わなくても意味が伝わる。「バカは後先考えずに行動を起こす」ということ。主人公のマシュー・ペリーが愚かな行動を次々とするロマンチック・コメディ。邦題は意味なし。★

『SNUFF スナッフ』"Rendezvous mit dem Teufel"
原題は「悪魔とのランデブー」。日本で流通しているビデオには"Split Second"という英語タイトルが付けられている。ドイツ製のTVムービーにはどんな邦題をつけてもかまわないという姿勢。なお、その世界では有名は1976年の"Snuff"の邦題は『スナッフ/SNUFF』である。★

『シーズ・オール・ザット』"She's All That"
内向的な美術おたくのレイチェル・リー・クックが眼鏡を取ると美しいという、リアリティのないストーリーの映画。この「シーズ」はちょっと大胆かもしれないが、1985年のスパイク・リーの"She's Gotta Have It"が『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』である。★★★

『28DAYS(デイズ)』"28 Days"
アル中のサンドラ・ブロックが、飲酒運転で事故を起こし、刑務所に行くかわりにリハビリ・センターで28日間を過ごすことを命じられる。ちなみに"Thirteen Days"は『13デイズ』。『2 days トゥー・デイズ』という邦題の映画の原題は"2 Days in the Valley"。★★★

『スリー・トゥ・タンゴ』"Three To Tango"
三角関係の話。普通は"It takes two to tango"、つまり「タンゴを踊るためには2人必要」なのだが、それをひねっている。★★★

『ブラッダ』"They Nest"
これはひどい。原題は「やつらは巣を作っている」で、ゴギブリに似たアフリカ産の獰猛な昆虫が、アメリカの小さい島に住み着くという昆虫パニックもの。映画の中で繰り返して「これはゴキブリに似ているが、ゴキブリではない」と語られるのに、DVDの字幕ではこれをゴキブリと表示し、ゴキブリを表すラテン語名を短縮して邦題にしたという最悪な処置。★

『セクシュアル・イノセンス』"The Loss of Sexual Innocence"
正反対のことを言っている邦題。原題は「性的無垢の喪失」で、「大人になるといろいろとあります」という話が、アダムとイブのモチーフと合わせて語られる、かなりベタな映画であった。★

『トゥリーズ・ラウンジ』"Trees Lounge"
映画の中に出てくる酒場の名前。原題にはアポストロフィはない。★★★

『パトリオット』"The Patriot"
「愛国者」だが、具体的にはアメリカ独立戦争の際の「大陸軍」、「独立派」のことを指す。アメリカ英語だと発音は「ペイトリオット」だが(イギリス英語だと「ペトリオット」)、ミサイルの名前として「パトリオット」が通っているので仕方がないか。「パトラッシュ」と「オットセイ」という滑稽な単語を連想する。★★。

『レッドストーム』"Der Feuerteufel - Flammen des Todes"
原題のドイツ語は「火の悪魔―死の炎」というかなり仰々しいもの。英語タイトルは"Flames of Death"で、原題の副題の直訳となっている。さすがに"The Fire Devil"はきつかったのか。ウィーンの美術館を狙う爆弾テロの話。邦題はまあどうでもいい。★

『4thフロアー』"The 4th Floor"
"The Thirteenth Floor"が『13F』になり、"The 4th Floor"は『4thフロアー』となるということか。ジュリエット・ルイスが古いアパートメントに引っ越してくる。彼女が住んでいるのは5階だが、下の4階に住んでいる老婆の様子がおかしい。★★

『リトル・セックス』"Just a Little Harmless Sex"
これは変。原題は「ちょっとばかしの無害なセックス」という意味だ。「小さいセックス」なんてものがあるはずもない。20代後半の男女たちが、男どうし、女どうしで「セックスに関する本音」を語るという艶笑喜劇。★

『ジャンク・メール』"Budbringeren"
ノルウェー映画。英語タイトルが"Junk Mail"である。"budbringer"は"courier"、"messenger"などの意味で、語尾の"en"は複数形(だと思う)。"bringe"が英語の"bring"に相当する動詞。英語の"postman"に相当するのは"postbud"である。タイトルは主人公が郵便配達人であることに掛けている、ような気がする(推測。直接「郵便配達人」のことをこう呼ぶのかもしれない)。郵便を勝手に盗んだり捨てたりするいい加減な郵便配達人が、ストーキングをしていて事件に巻き込まれる。★★

『ラスト・デイズ・オブ・ディスコ』"The Last Days of Disco"
1980年代初頭の、「ディスコの最後の日々」を描いた映画。「ディスコは死んだ」というやつ。★★★

『ミュージック・フロム・アナザー・ルーム』"Music from Another Room"
主人公のロマンチックなジュード・ロウが、愛とは何かと訊ねられて答えるときに、このタイトルにある「別の部屋から聞こえてくる音楽」という比喩を使う。なかなか気の利いたセリフであるが、脚本家が「勝負!」と叫んでいるようでちょっと引いた。★★★

『MONA(モナ) 彼女が殺された理由(わけ)』"Drowning Mona"
「モナを溺れさせる」。ベット・ミドラー演じるうるさい女の名前が"Mona"。彼女が車ごと川に突っ込んで死ぬのだが、車のブレーキに仕掛けをしたのは誰なのかということが焦点となる。邦題からは、中途半端なこの映画とタイトルをどうにかしようと苦労した跡が見られる。しかし、「MONA(モナ)」は無意味だし(「モナ」以外に何と発音すればいいのだ)、「理由(わけ)」とするぐらいなら最初から「理由」という語を使わなければいいだろう。★

『CODE:0000 コード・ゼロ』"The Omega Code"
この「コード」は、聖書に埋め込まれている「終末の暗号」のこと。"CODE:0000"という文字列は、映画中でコンピュータの画面に出てきたように思う。"omega"と言っているのに、それが「ゼロ」になるというのは皮肉である。★

『ブリンク』"Blink"
「まばたき」、「一瞬」。マデリーン・ストウ演じる盲目の女性が、角膜手術を受けて視力を回復したとたんに、殺人事件を目撃してしまう。★★★

『ゴールデン・ボーイ』"Apt Pupil"
「利発な生徒」。元ナチスのイアン・マッケランに、アメリカの郊外中流階級に属する少年ブラッド・レンフローがつきまとい、熱心に「悪」を吸収しようとする。英語の"golden boy"は、基本的に「人気者」の意味である。たぶん日本語とはちょっとニュアンスがずれている。★

『インサイダー』"The Insider"
タバコ会社に解雇された元重役が、"60 Minutes"に情報提供をすべきかどうか悩む。在籍中に入手したインサイダー情報を第三者にもらしてはいけないという契約を交わしていたからである。もしかしたら、アル・パチーノが演じるCBS側のプロデューサーのことも指している、のかもしれないが、これは深読みか。単数形だし。★★★

『サイダーハウス・ルール』"The Cider House Rules"
リンゴ摘みの季節労働者たちが寝起きする小屋が"cider house"。その小屋の壁に、住人たちが守らなくてはならない生活規則を書いた紙が貼ってある(寝タバコをしてはいけない、屋根の上で昼食をとってはいけない、など)。しかし、季節労働者たちは文盲なので、ぜんぜん通じていないという、いかにも原作者のジョン・アーヴィングが好みそうなシンボリズム。規則はいくつもあるので複数形でなくてはならない。★★

『X-メン』"X-Men"
アメリカの同題のコミックの映画化。近未来において、特殊能力を備えたミュータントたちが結束して悪と戦う。それで複数形となっている。★★★

『U-571』"U-571"
第二次世界大戦時のドイツの潜水艦の名前。ただし、この名前を持つ潜水艦が本当は存在しないということも含めて、大胆な歴史の改竄を行っている映画である。★★★

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