特別企画: TSUTAYAベスト100

 手元にビデオ・レンタル・チェーンのTSUTAYAがレンタルのポイントとの引き換えに配布していた「シネマ・ハンドブック2000」なる小冊子があり、その27ページに「'90年代 ベスト100 ムービーランキング」というリストがあります。おそらく、1990年代を通しての、全国のTSUTAYAの店舗でのビデオ・レンタル回数のランキングなのだと思われます。なお、TSUTAYAのwebサイトでは、各種のランキングを定期的に集計・更新しているようです。レンタル・ビデオのランキング累積数でのランキング

 本ページでは、このリストに掲載されていた映画を対象に、簡単な紹介文と評価(5点満点)を示すことにします。映画メモで取り上げている映画については、該当ページへのリンクを付しています。未見のタイトルについては、見た時点で随時追加していく予定です。

 文末にまとめがあります。

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1: 『インデペンデンス・デイ』"Independence Day" (1996) ★

1位の座を獲得しているのは、ローランド・エメリッヒ監督のSF大作。宇宙人が地球を襲い、アメリカ人が反撃します。予告編の面白さとの落差の大きすぎる、箸にも棒にも引っかからない駄作。どうせなら同時期に公開された『マーズ・アタック』"Mars Attacks!" (1996)を見ましょう。

2: 『アルマゲドン』"Armageddon" (1998) ★ 映画メモ

マイケル・ベイ監督、ブルース・ウィリス主演の宇宙SF大作。地球に向かって飛来する隕石を肉体労働者たちが撃退します。50年後の映画ファンが「20世紀のバカ映画」として笑いながら見ている場面を想像すると悔しくなるような水準の低いSFマインドの映画です。

3: 『ディープ・インパクト』"Deep Impact" (1998) ★ 映画メモ

ミミ・レーダー監督の宇宙SF大作。地球に向かって隕石が飛来してきて、大変なことになります。「パニック映画の作り方が下手」としか言いようがないダメな映画。

4: 『スピード』"Speed" (1994) ★★★★

ヤン・デ・ボン監督のパニック映画。バスが高速で疾走します。主演のキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックがきびきびと動く名作。この監督は人間の心情を描くことにまったく興味を持っておらず、そのことが主演者2人にとって良い方向に働いたと思われます。

5: 『ミッション・インポッシブル』 "Mission Impossible" (1996) ★★

ブライアン・デ・パーマ監督のスリラー。トム・クルーズによるトム・クルーズのための映画ですが、ヒーローを演じるには貧相すぎるようです。デ・パーマも「職人芸」と言えば聞こえは良いが、手を抜いている感じがする標準的な娯楽映画。

6: 『セブン』"Seven" (1995) ★★

デヴィッド・フィンチャー監督の犯罪映画。気負った映像とうっとうしい脚本の映画。映画作りに対する根本的姿勢がダメですが、ブラッド・ピットは悪くありません。

7: 『もののけ姫』

未見。

8: 『フィフス・エレメント』 "The Fifth Element" (1997) ★★

リュック・ベッソン監督の未来SF映画。たしかにヨーロッパのSF映画の匂いのする作品ですが、最終的には映画のチープさにしか貢献していなかったように思います。

9: 『タイタニック』 "Titanic" (1997) ★★★★★

ジェームズ・キャメロン監督の豪華客船パニック映画。ストーリー・テリングが安定しているだけでなく、いざパニック・シーンになると、船内への海水の侵入過程を緻密に描写する熟練工の映画です。将来は『風と共に去りぬ』に並ぶ名作として記憶され、20世紀末の人間は果たして主演のレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットのコンビを美男美女だと思っていたんだろうかと悩む人が出てきそう。この映画によって、ジェームズ・キャメロンはデヴィッド・リーンと肩を並べたと思っています。

10: 『ロミオ&ジュリエット』 "William Shakespeare's Romeo + Juliet" (1996) ★★★ 映画メモ

バズ・ラーマン監督の文芸映画。シェイクスピアの原作を現代的な設定に移植したロック・オペラ風の、要するに「前衛的」作品です。1990年代にもなって、この「前衛」は古いと思うのですが、こういうのを初めて見る人には衝撃かもしれません。面白いと思った方は、ぜひケン・ラッセルの映画を見てください。レオナルド・ディカプリオとクレア・デインズという2人の若手俳優の出世作として記憶されそうだけど、両者にとってこれが生涯の最高傑作になってしまう可能性もあり。

11: 『12モンキーズ』 "12 Monkeys" (1995) ★★★

テリー・ギリアム監督の未来SF映画。まあテリー・ギリアムなりに頑張っている可もなく不可もない作品です。

12: 『ダイ・ハード3』 "Die Hard With A Vengeance" (1995) ★★

ジョン・マクティアーナン監督のアクション映画。そこそこの出来ではあるものの、最初の『ダイ・ハード』(1989)、シリーズ第2作のレニー・ハーリン監督の『ダイ・ハード2』(1990)と比べると明らかにパワーが不足しています。

13: 『ザ・ロック』 "The Rock" (1996) ★

マイケル・ベイ監督のアクション映画。ショーン・コネリーが製作・主演する、いろいろな要素がうまく絡み合っていない映画です。

14: 『ツイスター』 "Twister" (1996) ★★★★

ヤン・デ・ボン監督のパニック映画。竜巻のSFXが素晴らしいだけでなく、あまり注目されることのなかったヘレン・ハントが力演している掘り出し物です。『スピード』と同様に、ヤン・デ・ボンは人間ドラマにほとんど関心を抱いておらず、その分だけヘレン・ハントが魅力的になったという仮説を持っています。彼女のファンでない人にとっては、あまり見所がない映画かもしれません。

15: 『ショーシャンクの空に』 "The Shawshank Redemption" (1994) ★★★★★

フランク・ダラボン監督の刑務所ドラマ。主演のティム・ロビンスとモーガン・フリーマンが良い演技を見せる傑作。正統派的なドラマに正面からぶつかって成功している珍しい例で、将来は「古典的名作」の地位を獲得しそうです。

16: 『踊る大捜査線 THE MOVIE』

未見。

17: 『美女と野獣』

未見。

18: 『ジュラシック・パーク』 "Jurassic Park" (1993) ★★

スティーヴン・スピルバーグ監督のパニックSF映画。公開当時、恐竜のSFXは革命的でした。しかしそれ以外の点ではだめな駄作で、特にパニック映画としての要素が弱い。

19: 『フォレスト・ガンプ 一期一会』 "Forrest Gump" (1993) ★★

ロバート・ゼメキス監督の仮想現代史もの。1990年代のアメリカ映画の保守化を象徴する映画の1本です。これならウディ・アレンの『カメレオンマン』の方がまだましでしょう。この前後から、トム・ハンクスの主演する映画は要注意になってきました。

20: 『スピード2』 "Speed 2: Cruise Control" (1997) ★

ヤン・デ・ボン監督の船舶パニック・アクション映画。シリーズ1作目との落差が甚だしい恐ろしくつまらない映画。キアヌ・リーヴスに代わってジェイソン・パトリックが起用されたことと、サンドラ・ブロックの活躍する場面が増えていることがダメになった理由でしょうけれども、ヤン・デ・ボンがこのあたりから勘違いしはじめた可能性もあります。

21: 『デビル』 "The Devil's Own" (1997) ★★★★

アラン・J・パクラ監督のサスペンス映画。パクラの安定した映画作りの上で、ハリソン・フォードとブラッド・ピットが非常に魅力的な存在感を出している佳作です。特にこの映画のブラッド・ピットのアイルランド訛りはやたらにセクシー。

22: 『メン・イン・ブラック』 "Men In Black" (1997) ★

バリー・ソネンフェルド監督のSFコメディ映画。『インデペンデンス・デイ』に似たタイプのつまらなさを発散している駄作です。

23: 『ロスト・ワールド ジュラシック・パーク』 "The Lost World: Jurrasic Park" (1997) ★ 映画メモ

スティーヴン・スピルバーグ監督のパニックSF映画。前作の『ジュラシック・パーク』よりもつまらないひどい映画で、この人はどこまで墜ちるんだろうかとかえって興味が湧いてくる始末です。

24: 『身代金』 "Ransom" (1996) ★★★

ロン・ハワード監督のサスペンス映画。映画作りの下手なロン・ハワードには珍しく、最低限のところでは見られる映画になっています。結局のところ、主演格のメル・ギブソン、レネ・ルッソ、ゲイリー・シニーズが頑張っているということでしょうか。

25: 『フェイス/オフ』 "Face/Off" (1997) ★★

ジョン・ウー監督のアクション映画。香港映画の要素を導入した勘違いアクションで、くどくてつまらない映画ですが、最悪の部類に属する『ハード・ターゲット』や『ブラックジャック』よりはましです。ただし、『ブロークン・アロー』だけは良い映画でした。1990年代は、香港映画の映画監督たちがアメリカ映画に参入した記念すべき時期として記憶されるでしょう。しかしいまのところ、これといった成果はあがっておらず、むしろハリウッド映画人によって換骨奪胎されています。

26: 『アポロ13』 "Apollo 13" (1995) ★★

ロン・ハワード監督の現代史もの。ロン・ハワードらしく、あらゆるところでぎくしゃくする失敗作です。

27: 『エアフォース・ワン』 "Air Force One" (1997) ★★★

ウォルフガング・ペーターゼン監督のアクション映画。バカげたプロットながら、閉じ込められ状況アクション映画の最低限の条件をクリアしている映画です。ただし、同監督の『Uボート』の方がずっとまし。ゲイリー・オールドマンが似たようなことをぜんぜん違うやり方でやっている『ロスト・イン・スペース』を続けて見ると笑えます(ただしつまらない映画です)。

28: 『マスク』 "Mask" (1994) ★★★★

チャールズ・ラッセル監督のSFコメディ映画。出る映画の90%以上がダメになるジム・キャリーには珍しく、彼のキャラクターを良い方向に活かせている佳作です。いまとなっては、キャメロン・ディアスの初期の作品としても注目に値します。

29: 『ボルケーノ』 "Volcano" (1997) ★ 映画メモ

ミック・ジャクソン監督のパニック映画。『アルマゲドン』に似たタイプの、根本の設定のところで崩壊しているダメ映画です。

30: 『レオン』

未見。

31: 『スリーパーズ』 "Sleepers" (1996) ★★

バリー・レヴィンソン監督の社会派ドラマ。そこそこ良くはできているものの、バリー・レヴィンソンに期待されるようなレベルの作品ではありませんでした。ただし、1990年代に入ってレヴィンソンは完全に失速した感じがあり、その中ではまともな方かもしれません。

32: 『となりのトトロ』 (1988) ★★★

宮崎駿監督のアニメ映画。私はアニメには詳しくないので、よく分かりません。私がいままでに見た宮崎駿作品の中では、あまり引っかかるところもなく素直に楽しむことができました。国際競争力のあるカルチャーであることは間違いないと思います。

33: 『コン・エアー』 "Con Air" (1997) ★★ 映画メモ

サイモン・ウェスト監督の航空機アクション映画。大味なストーリーと、多彩なキャストを使いこなす能力の欠如という点で、『アルマゲドン』に似た印象を与える映画です。

34: 『ボディガード』 "The Bodyguard" (1992) ★★

ミック・ジャクソン監督のロマンティック・サスペンス映画。盛り上げ方があまりうまくない平板な印象を与える作品でした。ケヴィン・コスナーの製作・主演映画で、大いに勘違いしていた時期にあたります。ただしこの後、ケヴィン・コスナーはどんどん良くなっていきます。

35: 『トイ・ストーリー』 "Toy Story" (1995) ★★★ 映画メモ

ジョン・ラセッター監督の世界初のフルCG長編アニメーション。歴史的な重要性はきわめて高いものの、映画として面白いかどうかとなると難しいところがあるように思います。しかし、続篇の『トイ・ストーリー2』はいくつかの側面で劇的に改善されており、『ベイブ』と『ベイブ 都会へ行く』の間の関係に似ています。

36: 『ジュマンジ』 "Jumanji" (1995) ★★★★

ジョー・ジョンストン監督のSFファンタジー映画。ところどころもたつく部分はあるにせよ、基本的に愛すべき映画です。ロビン・ウィリアムズが珍しく良いという点でも特筆すべき作品。ボニー・ハントのコミカル・リリーフが秀逸。

37: 『デイライト』 "Daylight" (1996) ★★★

ロブ・コーエン監督のパニック映画。老境に入って渋くなってきたシルヴェスター・スタローンの会心作。ちょっとスケールが小さすぎる感じがするものの、密閉パニックものとしてプロットが良く考えられているだけでなく、スタローンの微妙な位置づけが成功しています。

38: 『リング』

未見。

39: 『イレイザー』 "Eraser" (1996) ★

チャールズ・ラッセル監督のアクション映画。アーノルド・シュワルツェネガー主演のつまらない映画がまた1本増えたという印象しかない作品でした。渋くなって復活の兆しが見えてきたシルヴェスター・スタローンとは対照的に、シュワルツェネガーは長期低迷しています。というより、もう一生だめなんじゃないかという感じ。

40: 『ホーム・アローン』 "Home Alone" (1990) ★★

クリス・コロンバス監督のコメディ映画。そこそこ安定はしているものの、クリス・コロンバスのデビュー作である『ベビーシッター・アドベンチャー』と比べると明らかにパワーが落ちています。このあと、クリス・コロンバスは完全にダメになっていきます。

41: 『アラジン』

未見。

42: 『らせん』

未見。

43: 『ジャッカル』 "The Jackal" (1990) ★

マイケル・ケイトン=ジョーンズ監督のアクション・サスペンス映画。おどろくほどサスペンスに欠けた国際陰謀もの。これを見るなら、実在のテロリスト「ジャッカル」を題材にしている『アサインメント』を見ることをお勧めします。もちろん『ジャッカルの日』も。

44: 『天使にラブ・ソングを…』 "Sister Act" (1992) ★★★★

エミール・アルドリーノ監督の準ミュージカル・コメディ映画。ウーピー・ゴールドバーグが良いという珍しい映画であるだけでなく、ミュージカル映画の伝統が壊滅した1990年代にあって、かろうじてその精神をいくらかは伝えている佳作です。特に、ゴスペル/ソウル系コーラスの楽しさを伝えることに成功している合唱シーンには唸らされました。

45: 『逃亡者』 "The Fugitive" (1993) ★★★

アンドリュー・デイヴィス監督のサスペンス映画。これは標準以上の出来であり、逃亡するハリソン・フォードよりも追跡するトミー・リー・ジョーンズがかっこいいです。トミー・リー・ジョーンズが主演者として作られた続篇『追跡者』も悪くありません。

46: 『トゥルーライズ』 "True Lies" (1994) ★

ジェームズ・キャメロン監督のアクション映画。いったいキャメロンに何が起こったんだろうと驚いた、どうしようもない映画です。キャメロンでさえも、シュワルツェネッガーに「普通の人」を演じさせることは不可能だということが明白になった駄作。

47: 『めぐり逢えたら』 "Sleepless in Seattle" (1993) ★★

ノーラ・エフロン監督のロマンティック・コメディ。トム・ハンクスとメグ・ライアンという超危険な組み合わせを起用し、予想どおりに範囲の出来に収まった平凡な作品という感じです。その5年後の『ユー・ガット・メール』よりはマシだとはいえ。

48: 『ヒート』 "Heat" (1995) ★★

マイケル・マン監督の犯罪映画。アル・パチーノとロバート・デ・ニーロという2大大袈裟スターを起用したということで話題になりました。2人が対面するシーンには物凄くリキが入ってますが、全体として空回りしていると言えるでしょう。それほど悪くはないのだが、華に欠けるという感じです。

49: 『マディソン郡の橋』 "The Bridges of Madison County" (1995) ★★

クリント・イーストウッド監督のロマンス映画。自分の年齢のことも考えずに、ぬけぬけと恋愛映画の主人公を演じています。しかし、その4年後の『トゥルー・クライム』では、もっとギャップが激しくなっており、要するに懲りないオヤジなんでしょう。この映画でのイーストウッドはさすがにまずいと思います。

50: 『アウトブレイク』 "Outbreak" (1995) ★

ウォルフガング・ペーターゼン監督のウイルス・パニック映画。非常に出来が悪い映画ですが、これはダスティン・ホフマンのダメさに引きずられた可能性がなきにしもあらずです。

51: 『氷の微笑』 "Basic Instinct" (1992) ★★

ポール・ヴァーホーヴェン監督の悪女サスペンス映画。この映画の人気が高いことがどうも解せません。シャロン・ストーンのスカートの中身だけが関心の対象となっているのか。ヴァーホーヴェンがアメリカで作っている映画の中では、出来の悪い方です。どうせなら、この後の『ショーガール』と『スターシップ・トゥルーパーズ』を見ましょう。このあたりからマイケル・ダグラスがよくなっていきます。

52: 『ウォーターワールド』 "Waterworld" (1995) ★★★

ケヴィン・レイノルズ監督の未来海洋SF映画。製作費が高いわりにはつまらない映画として、ケヴィン・コスナーの髪の毛の薄さばかりが話題になった映画でしたが、実はけっこう好きです。このあたりから、ケヴィン・コスナーがとても良くなっていきます。自ら製作する映画でありながら、自分自身にこのようなキャラクターを割り当てるという戦略には知性を感じます。

53: 『ライオン・キング』

未見。

54: 『プリティ・ウーマン』 "Pretty Woman" (1990) ★★

ゲイリー・マーシャル監督のロマンティック・コメディ。なぜこの映画がヒットしたのかよくわかりません。この映画から、ジュリア・ロバーツはダメになりました。リチャード・ギアはこの後から俄然として良くなっていきます。

55: 『プライベート・ライアン』 "Saving Private Ryan" (1998) ★★

スティーヴン・スピルバーグ監督の戦争映画。1990年代のアメリカの保守化を象徴するポリティカルな映画。同時期の『シン・レッド・ライン』の方が100倍は上等。

56: 『ゴースト ニューヨークの幻』 "Ghost" (1990) ★★

ジェリー・ザッカー監督のロマンス映画。ジェリー・ザッカーがコメディでない映画に進出したということで話題になりました。この映画がなぜヒットしたのかよくわかりません。それほど悪くはないものの、とりたてて良いところもない普通の映画。80年代のハリウッド・スター、パトリック・スウェイジの最後の花火という感じ。

57: 『天使にラブ・ソングを…2』 "Sister Act 2: Back in the Habit" (1993) ★★★★

ビル・デューク監督。『天使にラブ・ソングを』の続篇で、ウーピー・ゴールドバーグが教師をするハイスクールの学生たちが中心となるという、ほとんど失敗を運命付けられているかのような映画なのに、なぜか面白い奇跡のような作品。『ブレイクダンス』のような清々しさがあります。有名になる前のローリン・ヒルが出ていますが、ちょっと弱い。

58: 『クール・ランニング』 "Cool Running" (1993) ★★★★★

ジョン・タートルトープ監督のスポーツ根性もの。ジャマイカからボブスレーでオリンピックに出場するという実話をベースにした話なのですが、やたらに良くできています。音楽の使い方が非常にうまいのですが、ジョン・キャンディが嫌味なく使われているという点だけでも賞讃に値します。ジョン・タートルトープという人はただ者ではない、と思いました。

59: 『ターミネーター2』 "The Terminator 2: The Judgement Day" (1991) ★★★★★

ジェームズ・キャメロン監督のSFアクション映画。これは前作の『ターミネーター』よりも良くできている大傑作でした。続篇をオリジナルよりも良くするというのは並み大抵のことではありません。本作では、とりわけリンダ・ハミルトンが良いです。

60: 『ホーム・アローン2』

未見。

61: 『フェノミナン』 "Phenomenon" (1996) ★★★★★

ジョン・タートルトープ監督のSFファンタジーもの。ジョン・トラヴォルタは1990年代に入って急激に良くなりつつあります。本作では、その他にもキラ・シジウィック、フォレスト・ウィテカー、ロバート・デュヴァルなどの役者たちが、そのポテンシャルの限界まで活かされています。タートルトープはただ者ではありません。

62: 『ベイブ』 "Babe" (1996) ★★★★

クリス・ヌーナン監督のファンタジー映画。農場の家畜たちが喋るSFXが話題を呼んだ、子豚のベイブを主人公とする映画です。これは良く出来ている映画なのですが、続篇の『ベイブ 都会へ行く』の方がずっとレベルの高い問題作です。

63: 『パーフェクト・ワールド』 "A Perfect World" (1993) ★★★★

クリント・イーストウッド監督の映画。相変わらず自分も出演していますが、中心はあくまでもケヴィン・コスナーにあって、そのことがプラスに働いています。ちょっとずるいまでの出来の良さで、それがかえって不安ではあるんだけど。

64: 『スクリーム』 "Scream" (1996) ★★★★ 映画メモ

ウェス・クレイヴン監督のスプラッター映画。自己言及的パロディとしてのスプラッターという性質を明確に打ち出したマニア向け映画です。スプラッターの中での品質は確実に高いのですが、残念ながら続篇の『スクリーム2』『スクリーム3』は悪くなる一方でした。パロディは一発勝負ということでしょう。

65: 『ゲーム』 "The Game" (1997) ★★ 映画メモ

デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンス・アクション映画。これを見ると『セブン』が名作に思えてしまうほどのダメな映画。ただし、マイケル・ダグラスとショーン・ペンはいいです。デボラ・アンガーはいまひとつかな。

66: 『セブン・イヤーズ・イン・チベット』

未見。

67: 『スーパーの女』

未見。

68: 『エグゼクティブ・デシジョン』 "Executive Decision" (1996) ★★★

スチュアート・ベアード監督の航空機アクション映画。デビュー作なのにかなり良くできており、この後の『追跡者』もいいので、今後が多いに期待されます。

69: 『Love Letter』

未見。

70: 『Shall We ダンス?』

未見。

71: 『マイ・フレンド・フォーエバー』 "The Cure" (1995) ★★

ピーター・ホルトン監督の難病もの。標準的な子供難病ものです。似たような邦題の『マイ・フレンド・メモリー』は大傑作です。

72: 『エイリアン4』 "Alien Resurrection" (1997) ★★★

ジャン・ピエール・ジュネ監督のSFクリーチャー映画。『エイリアン3』よりははるかにマシだとはいえ、『エイリアン2』にはもちろん、『エイリアン』も超えることはできていません。ヨーロッパ的な気持ち悪さはたしかに新鮮。

73: 『耳をすませば』

未見。

74: 『リーサル・ウェポン4』 "Lethal Weapon 4" (1998) ★ 映画メモ

リチャード・ドナー監督のアクション映画。まあ相変わらずダメなシリーズなんですが、本作ではジェット・リーが哀しい使われ方をされているので余計に腹が立ちます。

75: 『告発』 "Murder in the First" (1995) ★★★★

マーク・ロッコ監督の社会派映画。この映画がランクインしているのに驚きました。良い映画ではあるけれども、かなり地味です。実話をベースにした告発もの。ケヴィン・ベーコンのリキの入り具合が良い方向に作用しています。この人の場合は悪い方向に行くことが少なくないので、幸運だったといえるでしょう。

76: 『スペシャリスト』 "The Specialist" (1994) ★★

ルイス・ロッサ監督のアクション映画。可もなく不可もない、標準的なスタローン映画という感じでしょう。

77: 『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』 "Good Will Hunting" (1997) ★

ガス・ヴァン・サント監督の人情映画。監督、脚本、役者のすべての人々が勘違いをしている大変な映画。というか、こいつらバカですね。

78: 『魔女の宅急便』

未見。

79: 『依頼人』 "The Client" (1994) ★

ジョエル・シューマッカー監督のサスペンス映画。標準的なシューマッカー映画とでも言うべきか、どうしようもない駄作です。

80: 『ユージュアル・サスペクツ』 "The Usual Suspects" (1995) ★★

ブライアン・シンガー監督のサスペンス映画。濃い役者を使って濃い演技をさせれば映画は保つという誤解をもたらした悪の根源。本作はそれなりに見所はあるにしても、根本のところで許しがたいことをやっています。デヴィッド・フィンチャーと似たタイプの、根本的にダメな人。

81: 『戦火の勇気』 "Courage Under Fire" (1996) ★

エドワード・ズウィック監督の戦争/サスペンス映画。アメリカ人向け勘違いPC映画。この人はこういうタイプのものばかり作っています。

82: 『イングリッシュ・ペイシェント』

未見。

83: 『平成狸合戦ぽんぽこ』

未見。

84: 『マイ・ライフ』 "My Life" (1993) ★★★

ブルース・ジョエル・ルービン監督の難病もの。そのテーマにしてはかなり良い出来の佳作でした。死んでいくマイケル・キートンが良いのですが、妻のニコール・キッドマンも珍しく良い。

85: 『クリフハンガー』 "Cliffhanger" (1993) ★★★★★

レニー・ハーリン監督の山岳アクション映画。スタローンが初めて意図的に老いの兆候を見せた映画として記憶に残ります。レニー・ハーリンはこれ以降、良い作品を連発します。

86: 『コピーキャット』 "Copycat" (1995) ★★★★

ジョン・アミエル監督のサイコ・サスペンスもの。このジャンルでは非常に良い部類に属する佳作です。精神科医のシガーニー・ウィーヴァーと刑事のホリー・ハンターの2大女優が映画をしっかりと支えています。

87: 『ダイ・ハード2』 "Die Hard 2" (1990) ★★★

レニー・ハーリン監督のアクション映画。悪くはないのですが、シリーズ第1作の『ダイ・ハード』と比べると明らかに格下でした。ただしこの後、ジョン・マクティアーナンとレニー・ハーリンの地位は完全に逆転します。

88: 『マイ・ルーム』

未見。

89: 『羊たちの沈黙』 "The Silence of the Lambs" (1991) ★★★

ジョナサン・デミ監督のサイコ・サスペンスもの。悪くはないものの、原作と比べてしまうとごく当たり前のサイコ・サスペンスに過ぎません。トマス・ハリス原作の映画化としては、やはり『ブラック・サンデー』と『刑事グラハム/凍りついた野望』(『レッド・ドラゴン』の映画化)の方が上でしょう。

90: 『ザ・インターネット』 "The Net" (1995) ★

アーウィン・ウィンクラー監督の社会派サスペンス映画。ものすごくダメな映画。サンドラ・ブロックがミスキャストだったということ以前に、このアーウィン・ウィンクラーという人は映画監督としてはまったく才能がないんです。

91: 『パルプ・フィクション』

未見(笑)。

92: 『L.A.コンフィデンシャル』 "L.A. Confidential" (1997) ★★★★★

カーティス・ハンソン監督のサスペンス映画。ジェームズ・エルロイの原作の世界を、こういう風に映像化できてしまったのは奇跡的なことだと思います。ラッセル・クロウがとても光っていますが、ケヴィン・スペイシーさえもが良い。

93: 『ザ・エージェント』 "Jerry Maguire" (1996) ★★★★

キャメロン・クロウ監督の人情もの。何か騙されているんじゃないかと思うほど軽快に進む映画。レニー・ゼルウィガーとキューバ・グッディングJrは、この映画で大いに注目されました。キャメロン・クロウという人は、そのように役者の魅力を引きだすのに長けた人ではあります。キャメロン・クロウが製作・監督・脚本をやっています。

94: 『101匹わんちゃん』 "One Hundred and One Dalmatians" (1960) ★★★★

ディズニー映画。これが100位以内にランキングされるというのは非常に興味深い現象です。この映画を見たのはずいぶん前のことなので、あまり記憶に残っていませんが、楽しんで見たことはたしかです。結局のところ、アニメーションは文化遺産として継承されやすいのかもしれません。

95: 『理由』 "Just Cause" (1995) ★★★

アーネ・グリムシャー監督のサスペンス映画。ショーン・コネリーの製作・主演という一連の映画の中では良くできている方だとは思いますが、やはり限界があります。というか、最近のショーン・コネリーは本当にダメです。

96: 『シティ・オブ・エンジェル』 "City of Angels" (1998) ★ 映画メモ

ブラッド・シルバーリング監督の人情ファンタジー映画。『ベルリン・天使の詩』のリメイクだそうです。ナメてんのか、と言いたくなるような内容。ニコラス・ケイジとメグ・ライアンのそれぞれの最悪の部分が出ている駄作。

97: 『レジェンド・オブ・フォール』

未見。

98: 『失楽園』

未見。

99: 『ギルバート・グレイプ』

未見。

100: 『アラジン/ジャファーの逆襲』

未見。

以下、レビューとまとめ。

TSUTAYAは、話題作のビデオ・レンタル開始の時期にあわせて大々的な宣伝を行い、レンタル開始後しばらくは店の棚に大量のパッケージを陳列するという戦略をとっているので、このランキングにそのような話題作が多く入っているのはとうぜんの結果です。また、この1990年代はTSUTAYAのチェーン全体での売上が急激に伸びてきた時期にあたり、1990年代の後の方になるにつれて全体としての顧客数が増えているのだと思われます。そう考えると、1990年代前半以前の映画で、このランキングに入っているものは、かなり健闘していると言えるでしょう。

トップ100に入っているのが意外だったのは、75位の『告発』。とても地味な映画であり、いったいどのようにしてTSUTAYAがこれをプロモートしたのか興味深いところです。このカテゴリの良質な映画はたくさんあるので、うまくやればかなりの売上増が見込めるはずです。

44位『天使にラブ・ソングを…』と57位『天使にラブ・ソングを…2』が両方とも入っているのは面白い現象です。おそらく『天使にラブ・ソングを…』を見た人は、これが気に入って、続篇も見たいと思ったということなのだと思われます。別に大スターが出ている大作でもなく、ランキングに入っていること自体が不思議。よく知らないのですが、日本で最近ソウル/ゴスペル系が流行っているのでしょうか? それとも60年代音楽のリバイバル? いずれにせよ、ミュージカルに対する需要はないわけではないようです。

このリストの中で、1980年代以前の映画は『101匹わんちゃん』の1本だけでした。実写版のリメイク『101』の公開に引きずられたという可能性もありますが、この手のディズニー映画が世代間で継承されているのを知るのは嬉しいことです。

私が最高点の5つ★を付けたのは、次の7本でした: 9位『タイタニック』、15位『ショーシャンクの空に』、58位『クール・ランニング』、59位『ターミネーター2』、61位『フェノミナン』、85位『クリフハンガー』、92位『L.A.コンフィデンシャル』。

初出時に未見のものは23本ありました。

2001/3/29

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